6時起床。ジョギングするには強すぎる雨だが、モンベルのレインウェアで外に出る。一昨日、三村京子さんのライヴの朝に走った時はカンヒザクラが咲き始めと言ったところだったが、今日は既に八分くらい。この早咲き桜はあっという間に満開になるが、見頃も長く、ソメイヨシノが満開になるまで咲いている。で、いよいよそのソメイヨシノだが、蕾が眼に見えて膨らみ始めた。遠目に見ると枝全体が苺のムースのような、何とも形容しがたい朱に染まっている。
戻っても雨は降り続く。いつものように風呂から上がり、メールチェックをしていると、圧倒的な睡魔に襲われる。自慢じゃないが雨の日はネコのように眠くなる男なのだオレは。そして、遅い朝に雨の音を聴きながら昼寝をするのは、人生の幸せのひとつでもある。しかし昼寝というのは不思議だ。時間に余裕がある時よりも、やるべき仕事に追われている時の方が気持ち良い。ああ、寝ていちゃだめなんだ、あれもやってコレもやらねばなどと思いながら意識が遠のく。そんな時、雨音が子守歌のように聞こえたり聞こえなくなったり。
女友達から「もうすぐ東京タワー」という短いメールが来ている。そうだ、桜が咲いたら一緒に昇ろうと約束していた。地上250メートルから眺める桜はどんなだろう、そう思いつつふらふらと寝室へ向かう。雨の日の薄暗いベッドには、今でも相棒達が丸くなっいるようだ。シーツに頬を付けると、みャ太の白いふわふわしたお腹の毛と、ぎじゅの真っ直ぐ見つめる黒い瞳がそこにある。雨は降り続いている。自転車置き場のトタンの屋根に雨粒の当たる音がする。何ひとつ昔と変わらない。ああ、今日の僕は降り続く雨のように幸せだ──、そう呟いて、深い眠りに落ちる。