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今日はネコのお墓参り。朝から猫缶とカリカリ(ドライフード)を持って出かける。何度か書いた記憶があるけれど、我が相棒達の眠るペット霊園は川崎の山の中、横浜市との境の辺鄙な場所にある。どの駅から歩いても1時間以上。バスも一応あるのだが、我が家から向かうと遠くて不便な駅からしか出ていないし、本数も少ない。なので、小田急生田駅というところら徒歩30分の、我が家のお墓を経由して向かう──要はネコの墓参りついでに親父の墓前へも参るという親不孝作戦である。
新宿から小田急腺。多摩川を越えるとそこはいわゆる多摩丘陵という地帯。ウチの墓があるのはそんな山の斜面を利用した公園墓地。父親と父方の祖父母が眠っている。お線香をあげ、手を合わせ、去年一年あったことなどを一通り報告する。そこからさらに歩いて1時間。山を二つ越えたところが犬猫墓地である。しかし幸い天気も良く風もない穏やかな日。♪わたしのォ、お墓の前に、カリカリ置かないでください〜っ、などといい加減な鼻歌を唄いつつノンビリと歩く。 ところで、あの唄が流行ってからというもの、日本全国のお墓参り率は急激に減ったのではないか、と僕はにらんでいる。そもそもが辛気くさい行事だし、地方はともかく都市部の墓地というのは大抵辺鄙な場所にある。「よし、今度の日曜は家族で墓参りだッ」などと決めていても当日になって面倒になり、「まー、秋川雅史もああ言ってるんだから(別に秋川サンが言ったワケじゃない)別にお墓の前に行かなくてもイイんじゃないの」なんて。というような毎度バカバカしいことを考えているうちにペット霊園に到着。 先ほどの人間様の墓地よりもよほどたくさんお参りの人がいる。小さな子供を連れた人が多い。今日初めて知ったのだが、ココにはテレビ東京の『ペット大集合!ポチたま』という番組で全国を歩いた人気者犬・まさお君(ラブラドール・レトリバー、2006年12月悪性リンパ腫で没)も眠っているそうで、「まさお君のお墓コチラ」という標識と、記帳台が設けられていた。毎度のことだけど、この場所に来るとホッと暖かい気持ちになれる。人間の霊園に比べると狭いし、お墓も墓石ではなく、剥き出しの赤土にお塔婆が並んで立っているだけ。しかし此処には、小さな家族を死んでからもずっと愛し続けている人達の気持ちが溢れている。 お花とお線香をそなえ、猫詰を並べ、タッパに入れてきたカリカリをその上に置く。手を合わせていると何処からか「ハーン」という声がした。「誰?」と訊ねるとまた「ハーン」。しばらくすると急斜面に並ぶお塔婆の下を、ヒョイ、ヒョイっと階段を登って一匹の黒猫が現れた。毛並みの黒光りした大きな雄である。なかなの男前。「食べるか?」とカリカリを手のひらに乗せてやるとカリッコリッと食べる。そうしてると今度は白地にサバトラのヘルメットを被った(MIXサバトラと呼ぶそうです)のが登場。この子も雄。コイツも美形。こちらにもカリカリをお裾分け。両手に花ならぬ両手にネコで食べさせていると、時々彼らの舌が手のひらをペロリと舐める。そうそう、この感触、と懐かしく嬉しくなる。 ネコの舌というのは、小さくて薄くて、ちょっとザラザラしていた本当に可愛い。彼らに舐めてもらっていると、自分が少しだけ優しくて立派な人間になれたような気がする。食べ終わるとクロとサバトラは何処へともなく消えた。もうしばらくみャ太とぎじゅ太のお墓に話しかけてから、水桶と柄杓を下げて斜面の階段を降りていった。今日は良い日だった。
by tohramiki
| 2008-01-03 18:47
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Trackback(4)
Tracked
from テレビを愛しています
at 2008-01-04 23:52
タイトル : サン テレビ
1月 3日(木)カリカリ置かないでください〜っ「よし、今度の日曜は家族で墓参りだッ」などと決めていても当日になって面倒になり、「まー、秋川雅史もああ言ってるんだから(別に秋川サンが言ったワケじゃない)別にお墓の前に行かなくてもイイんじゃないの」な..... more
Tracked
from Ambien.
at 2008-04-08 14:31
タイトル : Canada overnight ambien.
Ambien. Where can i buy ambien for next day delivery. Ambien next day delivery where us.... more
Tracked
from Baek ji youn..
at 2008-07-18 09:23
Tracked
from 悪性リンパ腫
at 2008-11-14 20:28
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