眼が覚めるとまだ薄暗い。6時頃かなと思って時計を見ると7時前だった。窓の外は凍りつくような真っ白な曇り空。絵に描いたような
『ミュージック・フォー・エアポーツ』日和である。CDプレーヤをエンドレスリピートにして、500ミリリットルのペットボトルに紙パックの赤い野菜ジュースを入れてちびちび飲みながらお風呂につかる。
お風呂から出た時ちょっとだけ「おえっ」となる。正確に言うと「おえっ」に「げほっ」もしくは「ケホッ」が交じった感じ。関西人はこーゆーのを「カラエズキ」と言いますね。あー、胃が疲れているんだと思う。続いてストレッチする時に床に背中を付くとちょと痛キモチいいような感じが。胃の裏側が凝っているのだ。内蔵疲労だな、と思う。
筋肉の疲労はストレッチやアイシング、入浴などで何とかなるが内臓疲労だけはいたしかたない。例の「ぐじくじ」が知らず知らずのうちに胃腸を痛めつけているのだ。それに、内臓疲労のやっかいなのはカラダ全体の疲れを取れにくくする。疲れが続くと原稿を書くのがしんどくなる。しんどくなるとさらにぐじぐじと暗くなる、原稿また書けなくなる、ぐじぐしする、インディアン嘘つかない──、となる。
こーゆー時は本来絶食して水分だけをちびちびと補給し(がぶがぶ飲むと胃液が薄まる)、珈琲やお酒を控え静かにしておくしかないのだが、原稿を書くためにはそれなりの栄養は採らねばならない、というワケで本日は台所にある残りものをかき集めて雑炊を作りましょう。
まずカツオブシでダシを取ります。中華風にしたいので本来であれば鶏ガラや市販の中華スープの素だがカツオブシには細胞の活性化を高める作用があります(『あるある大辞典』より)。タマネギの薄切りを土鍋に入れて煮込み、冷蔵庫の隅に転がってるニンニクの茎やらニンジンの切れっ端なんかを入れます。コレに玉子を入れれば緑、赤、黄の栄養三原色が揃いますですね。ゴハンは熱湯に浸けフタをして柔らかくしておきます。夜寝る前に魔法瓶に熱湯とゴハンを入れておくと簡単に中華朝粥が作れるというが試したことはない。そう言えば友人のシナリオライターで広東語を操る謎の香港通・沢木毅彦氏に教えてもらった旺角・聖羅撤女子中近くのお粥屋さんは美味かったなー、なんてコトを考えながらゴハンを入れてさらに煮込み、軽く塩コショウしましゅ(立花里子文体)。小さじ一杯オイスターソースを入れ、玉子を割ってフタをし蒸らすと出来上がりでしゅ。ところでオイスターソースの匂いって、香港の街中のニオイに似てませんか? 仕上げにゴマ油をひとふりするとさらに中華風味がましましゅ。
あつあつの鍋をテーブルの上に置いていざ食べようとした時、おっとトロロコンプを散らすとさらに美味しくなるなと思ってタッパのフタを開けたら、手がすべってトロロコンブがブチまけられ、椅子で丸くなっていたネコがトロロコンブだらけになった(涙)んー、やっぱオレ調子悪いみたいだ。