12時より高田馬場コアマガジン社にて『ビデオ・ザ・ワールド』誌AVベストテンの座談会。毎度のことだが、あまり眠れず出かける前ギリギリまでビデオを観続けてあたふたと向かう。例によって5時間ほどあーだこーだとこの上半期にあった作品について話し合う。まさに侃々諤々、といった感じ。
ところでこのコアマガジン社という出版社は、白夜書房という名前で統一されていた頃、僕が編集者として働いていたとところだ。今は白夜、コアともにいくつかの社屋に分散されているが、久しぶりに懐かしい顔とも会う。そして、今日は古い仲間の一人F君の訃報を聞いた。思わず「嘘だろ」と言ってしまう。
F君もまたずいぶん前に白夜書房を辞め、他の出版社で花の図鑑などを作っていた。いつだったか古い仲間が集まる飲み会があって、最寄り駅が近いので一緒にタクシーで帰った。その時「近くに来たら遊びに来てください」と名刺の裏に自宅の住所を書き、奥さんの名前を書き添えてくれたのが印象的だった。
会社を無断で休んだので、不審に思った同僚が家まで見に行ってみると亡くなっていたという。「だって、奥さんがいただろう?」と言うと、「まだ詳しくは判らないんですけど、離婚されていたという話もあるんです」と教えてくれた人は言った。
あれは一年ほど前だろうか、中央線の中で見かけた。終電に近い時間。そうだ、今頃の蒸し暑い季節だったと思う。つり革につかまってフト見ると、少し離れた所にジャケットに白いワイシャツの前をはだけたF君が座っていた。声をかけようと思ったがやめた。疲れていたのか酒でも飲んだ帰りだったのか眠っていたからだ。
今度会った時、「この間電車で見たよ。寝てたから声かけなかった」と言おうと思っていた。「やだなあ、声かけてくださいよ。近場で酒でも飲みたかったなあ」そう笑って言ってくれるとばかり思っていた。