ガース・ハドソンの訃報が届いた。87歳。10年程前にガースの所有していた楽器がすべてネット・オークションに出されたという話が伝えられた。2020年に公開された映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』の取材に於いては、ガースのインタビューも撮影されたものの、高齢のため受け答えが上手くいかず、コメントが使えそうにないと編集段階でカットされたと言われた。どちらも単なる噂に過ぎなかったのだが、それでも、元気でいてくれると信じていた。彼らしいマイペースで、音楽と共に生きていてくれると。多くの人の想いも同じだろうけれど、悲しい。そしてとても淋しい。これで、僕が世界でいちばん大好きなロックバンド、ザ・バンドのメンバーは全員が天国に昇ってしまった。リヴォン・ヘルムの著書『ザ・バンド 軌跡』(音楽之友社)には、彼らのデビューアルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(1968年)とセカンド『ザ・バンド』のプロデューサーを務めたジョン・サイモンの回想として、こんなシーンが描かれている。1967年、サイモンはウッドストックにて、ピーター・ポール&マリーのメンバー、ピーター・ヤローと後に全米の人気番組になる『サタデイ・ナイト・ライヴ』に発展するコメディ集団のひとり、ハワード・アークの作る映画に音楽監督として関わり日夜編集作業に明け暮れていた。

ハロウィンの夜だった。いつものように作業に熱中して徹夜していると、突然外でとんでもない音がする。驚いて窓から見ると、奇妙な格好して仮面を付けた4人の男が、アコーディオンやホーン、ウォッシュボード(洗濯板、指で引っ搔いて音を出す)などを抱え演奏していた。その日はハワードの誕生日で、お祝いの音楽をサプライズで奏でていたのだ。それまでサイモン&ガーファンクルやジャニス・ジョプリン、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズなど数々の希有な才能のプロデュースしてきたサイモンだったが、彼をもってしても一度として耳にしたことのない、ユニークで素晴らしいサウンドだったという。ロビー・ロバートソン、リック・ダンコ、リチャード・マニュエル、そしてガース・ハドソンだった(このときリヴォン・ヘルムはボブ・ディランのいわゆる「ブーイング・ツアー」に嫌気がさしバンドから離脱していたが、間もなく彼もウッドストックに合流する)。こうして全員が天使になってしまった今、僕は夢想してみる。ウッドストックの深い森を彷徨ってみたら、その果てのどこかではザ・バンドのメンバーが勢揃いし、それぞれの楽器を手にして、永遠の音楽を奏でているのではないか、と。
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