先週末の土曜日くらいからか、夜、布団に入って眠ろうとすると、耳元で「プーン」という音がする。蚊の羽音である。刺されるかな、痒くなって眠れなくなったら嫌だなと思いながら、結局毎晩、いつの間にか眠りに落ちている。蚊が活動するのは気温15℃から30℃の間だという。だから想像するに人間が布団に入りしばらくして部屋の温度が下がっていくと、動けなくなってしまうのではないか。それにしても11月も後半になって尚生きている蚊というのも、死に損なったようで少し寂しい。太宰治の初期作品に「哀蚊(あわれが)」というのがある。小説集『晩年』(昭和11年)に収められている。というかこれが少々ややこしいのだけれど、『晩年』の中に
「葉」という短編があり、その物語の中で太宰本人を思わせる「彼」という作家が、19歳のとき書いた掌編小説として登場するのだ。「秋まで生き残されている蚊を哀蚊と言うのじゃ。蚊燻しは焚かぬもの。不憫の故にな」という台詞がある。「蚊燻し(かいぶし)」と蚊取り線香のことだろう。哀れだから殺してはいけないよという戒めの言葉なのだろうが、これを主人公である幼女に寝物語で語って聞かせるのが、富豪の家に生まれながら嫁ぐことなく年老い、今は静かに死を待つ、かつて絶世の美女であった面影を残す老女。
しかも書き出しは<おかしな幽霊を見たことがございます。あれは、私が小学校にあがって間もなくのことでございますから、どうせ幻燈のようにとろんと霞んでいるに違いございませぬ。>と何とも不気味であり、<姉様がお婿をとって、ちょうどその晩のことでございます。御祝言の晩のことでございました。芸者衆がたくさん私の家に来て居りまして(中略)父様が離座敷の真暗な廊下で脊のお高い芸者衆とお相撲をお取りになっていらっしゃったのもあの晩のことでございました。>というエロティックで幻想的な描写もあって(父親が芸者と相撲を取っていたというのは、セックスを覗き見た幼女の記憶ではないか)と、そんなことを考えていると今夜こそ眠れなくなってしまいそうなのでこのくらいに。
※写真は夜明けの風景。早朝ウォーキング中に撮影。data:iPhone15Pro ×2 #Instagram #MOLDIV #ORIGINAL
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