メリー・クリスマス! と書きながら、果たしてコレはイヴの日に言うのだろうか、それともクリスマス当日──って言い方もヘンだな(涙)──に言うのが正しいのかもわかりません。ともあれ6時起床。116分走る。陽が照らないのでかなり寒い。公園の池はカチンカチンに凍っている。水道もほとんどが凍結。それでも三連休のせいかジョガーが多い。しょっちゅう顔を合わせるオジサンと、会釈ですれ違う。言葉こそ交わさないのだが「まあお互い今年も一年間走りましたよね」という感じ。
今日も半断食。昨日作ったオニオンスープを飲む。タマネギをスライスして煮込み、チキンコンソメと塩コショウで味付け、カンヅメのマッシュルームを入れただけのシンプルなものだがしみじみと美味い。日中はスーパーへ買い出しにいったり昨日買った『ボブ・ディラン自伝』を読んだり。陽が暮れてからは衣類の整理。月曜日が資源ゴミ最後の回収の日なので古くなった靴下やTシャツ、シーツなんかを処分するべくまとめる。
さてイヴです。オジサンになっても一緒に外で食事をしてくれる女性がいなくても、さらには今夜のようにお酒も飲めなくても、それでもクリスマスというのは何となく楽しい。TV番組なんかも特番が多くて、決して面白いものでも観たいものもないのだが、何となく画面が華やいで見える。
何故か子供の頃を思い出す。子供、と言っても中学生くらいだ。実家にいて、親父やオフクロもまだ若くて。兄貴はもう高校生だったから友達と遊ぶのに忙しく家にはいなくて。親父はウイスキーなんぞをちびちびやっていて、オフクロは台所で正月のおせちの準備なんかを始めてるのだが、それも一段落したらしく居間にやってくる。TVでは淀川長治解説の日曜洋画劇場で『ホワイト・クリスマス』なんかが始まる。そんな夜のことだ。
ヨーロッパ戦線だろうか、ビング・クロスビーが仲間の兵士達の前で表題曲を唄うシーンから始まった記憶がある。やがて戦争が終わりクロスピーは兵隊仲間のダニー・ケイと組んでブロードウェイの人気者になる。二人はとあるショウで共演したローズマリー・クルーニーとヴェラ=エレンの姉妹と知り合い、彼女達の父親がかつての部隊長だと知る。かつての上官は今小さなホテルを経営しているがあまり上手くいってなくて少し淋しそうにしていて、じゃあ自分達がクリスマスの夜に戦友達を集めてサプライズのディナー・ショウをやって元気づけよう、そんな話だった気がする。
TV放映だから短縮番だっただろうし、ビング・クロスビーの映画としてもボブ・ホープと組んだ「珍道中」シリーズ、あるいはビリー・ワイルダーの『皇帝円舞曲』やレオ・マッケリーの『我が道を往く』なんかと比べると平凡な出来と言われてるらしい。それに、そもそもこれはクロスビーがアステアと組んだ『スイング・ホテル』という映画のリメイクなんだそうだ。
それでも良い映画だなあと思って観ていたのは、川崎の外れの街の片隅にあるTV画面の向こうに、豊かで華やかなアメリカがあったからだ。クリスマスというのは華やかさの象徴だった。リアルタイムで言えば七〇年代初期、ベトナム戦争の真っ最中。昼間には我が家の上空にも、厚木のベースからおそらくハノイ辺りに向かって軍用機がばんばん飛んでいたのだけれど。