眼が覚めると雪が降っていた。七時起床。ふと、ブライアン・イーノの
『ザ・シュフト・アッセンブリィ』をかける。
一年中ロックンロールばかり聴いているけれど、この季節だけ、何故かアンビエントが聴きたくなる。以前『追想特急〜lostbound express』の方に、
冬になるとザ・バンドが聴きたくなると書いたけれど、それは11月から年末にかけてだ。こうして年が明けて1月も半ばになると、不思議と気分が変わる。同じ冬でも、年末とこれからの季節は明らかに違う。
朝起きると部屋の中の空気が冷え切って、しんと静まりかえっている。窓の外から見える公園にも人の気配がなく、まるで映画の中の風景のようだ。そんな朝の部屋にイーノのアンビエントやキース・ジャレットのピアノソロを流すと、冷たい空気にひとつひとつの音が共鳴して、漂う音全体が見えない霧のようになって部屋中に充満するかのようだ。イーノとの共演もある現代音楽家ハロルド・バッドに
『The Room』というアルバムがあるけれど、まさに部屋全体がひとつの楽器になってしまう。
ぬるめのお風呂に長い時間入って暖まった身体のまま、『ザ・シュフト・アッセンブリィ』の漂う中、珈琲を飲みつつ床でストレッチする。それは音楽を聴くという行為とはまったく違う体験だ。身体はその場にあるものの、意識は音によって彩られた冷たい空気の中に流れ出して共に漂ってしまうようだ。環境音楽とは良く言ったものだ。ブライアン・イーノは本当にすごい芸術家だと思う。
昨日は夕方にジムに行き、筋力トレーニングを1時間とトレッドミルで65分走った。その時やはりフト気づいたのだが、ジムの窓から見える夕方がほんの少しだけ長くなっている。同じ冬でも年末までは太陽がオレンジ色に変わってからはまるで夕方を省略したかのように、アッという間に夜になってしまったのに、今では陽が落ちてから暗くなるまでにしばらく時間がかかるようになった。季節はほんの少しだけど確実に変わっている。今日はjogもお休みにして、確定申告用の帳簿付けをこしょこしょとやるつもりです。