夜の8時過ぎ、「さてもうひと頑張り」と台所に麦茶を入れにいった。すると居間の方で何かが動いた。黒光りするニクイヤツ、ミスターGである。不思議だ。僕はそのとき、冷蔵庫を開けようと彼のいる場所には完全に背を向けていたはずだ。けれどGの気配だけは感じる。我が家にはゴキブリブラックキャップを設置してあるので、可哀想にヤツはかなり弱っていたようだ。殺虫剤をかけるといとも簡単に仰向けになって足をバタバタさせてしまった。RCサクセション初期の作品に「忙しすぎたから」という名曲がある。セカンドアルバム『楽しい夕に』に入っている。作曲は肝沢幅一(忌野清志郎の変名)だが、作詞は林小和生。この詞が本当に素晴らしい。そしてリードヴォーカルを取るのは破廉ケンチ。「夏が終わって/ゴキブリが死んだら」というフレーズがある。
※YouTube画面は1994年8月、日比谷野音で行われた忌野清志郎・仲井戸麗市のデュオライヴ
『GLAD ALL OVER』のアコースティック・セット。リードヴォーカルはチャボさんだが、2分50秒くらいからのコーラス。初期RCのバージョンもそうなのだが、鳥肌が立つ。忌野清志郎という人が、いかにすごいヴォーカリストだったかと思い知らされる。