昨日の続き。構文「I heard Ken play the piano.(ケンがピアノを弾くのが聞こえた。)」は、なぜ「Ken plays」でも「to play the piano」でもないのだろう? そこで「目的語+原型」とGoogleの検索窓に入れてみたら、やはり同じような疑問を持つ人はいたようで、
「Yahoo!知恵袋」に以下の質問があった。
<高校1年生です。「When I hear him play.」という文の「him play」のところに違和感を感じるのですが、これも文法的な正しい表現なのでしょうか。もしそうならどういう時に使うのか教えて下さい。>
答えは<正しい表現です。「知覚動詞+人+原型不定詞」という構文です。詳細は参考書で「知覚動詞」または「原型不定詞」を調べましょう。>とあった。
原型不定詞! 初耳だ。原型不定詞ってナニ? そこで今度は「知覚動詞+目的語+原形不定詞」で調べてみるとありました。
「ちょいデブ親父の英文法」というサイト。どなたか存知上げないが、無償で教えて頂きありがたいことです。「管理人について」というところを読むと、<私が英語講師時代に感じたこと・思ったことをもとにこのサイトは構成されています。このサイトが、英語学習者の皆さんの力になれればこの上ない喜びです。>とある。
ともあれ、「ちょいデブ親父」さんによれば、原型不定詞とは「不定詞」は、通常「to+動詞の原形」の形をとりますが、to がない場合があります。この to のない不定詞を原形不定詞といいます」とのことで、
原形不定詞をとる形は次の3つ。
(1)助動詞+原形不定詞
(2)知覚動詞+目的語+原形不定詞
(3)使役動詞+目的語+原形不定詞
ウン、(1)の「助動詞+原形不定詞」はわかる。先日ジャニー喜多川さんが亡くなったとき報道された氏の座右の銘「The show must go on.」と同じだ。「must」が入らないと、古いミュージカル映画の題名にもなってるけど「The Show Goes On」となる。(3)の「使役動詞+目的語+原形不定詞」というのも、文法としては知らなかったが、「I made her go home.(私は彼女を家に帰した)」と例文を出してもらうと何となくわかる。不自然な感じはしない。さらに<原形不定詞ではなく状態を表す語がくることもある>として、「He made me happy.(彼は私を幸せにしてくれました」と説明されるとさらに腑に落ちる。「go home」も「happy」同様、「私は彼女を帰った状態にした」とも考えられる。
さて、モンダイの(2)「知覚動詞+目的語+原形不定詞」である。「ちょいデブ親父」さんは、「hear(聞く)」「see(見る)」「watch(見る)」など「目や耳などの感覚から情報を得る動詞」を知覚動詞をと言い、その場合は「to」の付かない原形不定詞になるという。例文は「I saw him run away.(私は彼が逃走するのを見ました)」。ナルホド、「run away」が「him」を後ろから修飾してるワケだ(後置修飾)。「a man running in the rain.(雨の中を走る男)」なんかと一緒ですな、と思ってたら、<また、原形不定詞を現在分詞にしてもOKです。>とあって「I saw him run away.=I saw him running away.」でもOKとか。ああ、そうか。ザ・ビートルズ初期のヒット曲「I Saw Her Standing There」と同じじゃないか? というワケで今夜はこの曲でお別れです。それではおやすみなさい。
※YouTube画面はそんな1963年のヒット曲、THE BEATLES「I Saw Her Standing There」。アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』(Please Please Me)より。