夜明け過ぎ、強烈な雨音で眼が覚める。いつまで経ってもやまない。朝いちばんでジムに行くつもりだったが、一旦ベッドからは起き出したものの、これは無理だなとソファーに倒れ込んだ。そのとき時計を見ると午前7時。9時にジムに入って約1時間半トレーニングしたとして、戻るのは11時。ならは行ったつもりで9時過ぎまで寝ても充分。オツリが来るくらいと思うものの、これが低気圧のせいか疲労が溜まっていたのか、はたまた単なる怠け癖か、10時になっても11時になっても起きられない。マズイな、今日は〆切があるんだよなと、焦りつつもウトウトしていると、こういうときは必ず同じパターンの夢を見る。かつて相棒たちと暮らした前のアパートで、僕は現実と同じようにソファーで寝ている。そして7年前に廃刊になった『ビデオ・ザ・ワールド』誌の原稿を書かなければと思いつつもやはり起き出すことが出来ないでいる。
すると僕の腕の中で眠っていたぎじゅ太が「ニャー」と鳴いた。「お腹空いた」と言っているのである。「ハイハイ、いくら眠くてもお前たちのゴハンはあげなきゃな」と立ち上がると、彼は僕の後をトットットッと付いてきた。台所の戸棚からネコ缶を出して開けると、その「パカッ」という音で寝室のベッドで寝ていたらしいみャ太が、トンッと床に降りて廊下を歩いてくる音がする。変だな、と思う。音はすれども僕には彼らの姿が見えない。どうしてだろう? と考えていると、自分の眼が開いてないことに気づく。ネコ缶は手探りで開けたものの、未だ眠くて眠くて仕方なく、どうしても眼が開かないのだ──というところで眼が覚めた。そして自分が過去に目覚めた夢を見たのだと気づいた。
彼らが生きていた頃、ネコに起こされるとその日は必ず仕事が進んだ。今日も午後からノロノロとiMacに向かったものの、途中からスルスルと調子が出て、夕方6時過ぎには終了。その頃にはすっかり雨も上がり、「よし、ジムに行けるぞ」と出かけた。
※写真は梅雨が明けた頃。小金井公園のSL展示場、蒸気機関車C57に連結された客車(スハフ32形)の座席を撮る。data:iPhone6 #Instagram #MOLDIV #FOREST