NHK朝の連ドラ『まんぷく』が終わった。「大団円」という言葉がある。辞書で引くと「大団円」の「団円」とは丸い円のことであり、それが転じて「欠けることなくうまく丸くおさまる」「完全に終わること」となり、これが「演劇や小説などの最後の場面で、すべてがめでたく収まる結末」を指す言葉となった、とある。つまり、物語というのは一見時間軸に沿って一直線、前へ前へと進んでいるようにも見えるが、実は出発点へと戻っているということになる。進みゆく話の中で欠け落ちたピース(伏線)を丁寧に拾いながら、丸い円を描くことを目指すわけだ。その意味で本日3月30日の最終回は、まさにひとつの点が元に戻り、綺麗な円を描いて終わった。半年間観続けた視聴者の心も、丸くほっこりした15分だったと思う。象徴的なのがラスト、世界一周「麺の旅」に出た福子(安藤サクラ)と萬平( 長谷川博己)からの手紙を、鈴さん(松坂慶子)と咲姉ちゃん(内田有紀)が読む、というシーンだろう。
昭和16年太平洋戦争勃発の年に肺結核を発症し亡くなるヒロインの姉・咲は、食糧事情の悪かった頃の日本の象徴である。だからドラマを通して随所に福子や鈴の「夢」に現れ、重要な示唆を与えるのだ。深読みすればこのシーン、前回「生前葬」をした鈴さんも実は亡くなっていて、天国で咲と共に福子の手紙を読むとも取れるのだが、もっとポジティヴに捉えれば、姉であれ母であれ、肉親というものは死んでも尚、いつだって子や妹を見守ってくれる存在なのだ、とも言える。ゆえに今日の最終回は咲の元夫で、妻に先立たれ本来は縁の切れてしまったものの、その後も「たちばな塩業」「まんぷく食品」を支え続けた真一(大谷亮平)と萬平が抱き合うシーンがあり、世良(桐谷健太)と萬平はその出会いと同じように屋台のラーメンをすする。そしていよいよ最後のカットは旅先のバンコク。萬平と福子が出会った戦前の神戸、その川べりにも似た屋台でタイの辛い汁そばを食す、その後ろ姿で終わる。誰かの成功とは、人の助けなくしては決して成し遂げられない円(縁)なのだ、ということだろう。
※写真はそのNHK朝の連続テレビ小説・第99作目『まんぷく』最終回の画面を複写。フクちゃんからの手紙を読む鈴さん(松坂慶子)と咲姉ちゃん(内田有紀)。ちなみに「ドラマなのに何ンで〈小説〉っていうの?」という質問の答えは、昨夜放映『朝ドラ100作!全部見せますスペシャル〜歴代ヒロインがチコちゃんに叱られる!?〜』で知りました(^o^)/。data:iPhone6 #Instagram #MOLDIV #HAPPY
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