昨日の続き。
『スペクテイター最新号(42号)』 の「特集:新しい食堂」は4店舗、「ウナカメ」こと「ウナ・カメラ・リーベラ」の丸山伊太朗さん、「按田餃子」の鈴木陽介さんと按田優子さん、「マリデリ」の前田まり子さん、「なぎ食堂」の小田晶房さんという、5人の店主さんへのインタビューを中心に構成されています。驚くべきはどの方も料理というものを誰か師匠について修業したわけではなく、自分の味覚とセンスだけで作っている点であり、それ以上に「聞けば聞くほど腑に落ちる」というか、「食」に対してしなやかで飄々としながらも、皆さん実に揺るぎない哲学と感性をお持ちだということである。特に面白いなと思ったのは、例えば「按田餃子」の鈴木陽介さんの本職が写真家だったり、「なぎ食堂」の小田さんは元音楽雑誌編集者で現在もインディーズCDレーベルを運営中と、「食」と「サブカルチャー」がごく自然に、実に並列に存在しているということだ。つまり書いて字の如く「食文化」「食生活」というけれど、食べること、食事を提供することとはまさに生活でありカルチャーなのだと思い知らされる。もちろんもっと単純に、読んでいるだけでどの店舗にも食べにいきたくなるのだけれど。
僕が取材させてもらった「ウナ・カメラ・リーベラ」の丸山伊太朗さんも同様で、まず「ウナカメ」とはひとつの店舗に複数の「店主」による店が日替わりで入れ替わる、いわゆる「シェアカフェ」である。これも「飲食店」とは食事が提供されるだけに留まらず、多くの人々が集い交差して「文化」なり何なりがが生まれる「場」であるはず、という丸山さんの発想に基づいている。そもそも丸山さんは1980年から2014年まで、中野駅北口で「無国籍食堂カルマ」というお店を経営していた。そこでは現在、料理家・エッセイストとして知られる枝元なほみさん、高山なおみさんが初期のスタッフとして長らく働いていた。つまり才能が出会い育つ「場」だったのだ。枝元さんも高山さんも、やはり正統的な料理の教育を受けた人ではない。自身の舌とセンスと工夫、何より「料理が好き」という気持ちで「食」に対峙する。そのスタイルが特に同じ女性から支持される理由ではないかと、僕は推測している。
もうひとつ、丸山伊太朗さんは「カルマ」の前、70年代前半には高円寺にあった『MOVIN’(ムーヴィン)』というロック喫茶の店主だった。同店は鈴木慶一さん率いるムーンライダーズの前身バンド、はちみつぱいのベーシスト・和田博巳さんが、22才の若さで開いたお店である。当初、丸山さんはアルバイトだったが、和田さんの音楽活動が次第に忙しくなっていったため引き継いだという。そしてこの『ムーヴィン』には、「はっぴいえんど/風街系」のロックファンにはお馴染みの伝説がある。1973年のある日、当時ココナツ・バンクというバンドで活動していた伊藤銀次さんとスティールギター奏者の駒沢裕城さんが珈琲を飲んでいると、店内に明治大学在学中に山下達郎さんが友人たちと作った自主制作アルバム『ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY』が流れた。「これはスゴイ」ということで銀次さんが大滝詠一さんに聴かせ、達郎さんが世に出るキッカケになるという逸話である。インタビューでは、当時のお話も聞いております。
※写真は
『スペクテイター(42号)』 (←Amazon.co.jp)「特集:新しい食堂」より。昨日の日記で<文章に美しいデザインや感性溢れる写真が付けられる>と書いたのは、この見開き扉を見ればご理解頂けるかと思う。タイトルの「ブリコルールの場所」も、当初は僕の原稿プランにはなかったのだが、赤田祐一さんの「編集マジック」によって生まれた。画面右ページの写真撮影は安彦幸枝さん。data:iPhone6 #Instagram #MOLDIV #VIVID
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