トム・ペティが亡くなったそうだ。66才、早すぎる死である。もちろん大好きなミュージシャンではあるのだが、初めてジョギングしながら聞いたのがトム・ペティだったということで、個人的には特別な人だ。1986年に発売されたアナログ盤2枚組のライヴ『パック・アップ・ザ・プランテーション-ライヴ(Pack Up The Plantation: Live!)』だった。当時僕は渋谷区の神宮前に住んでいた。カセットテープにダビングして、夜の外苑をウォークマンで聴きながら走った。その後はすべてCDで買い直したわけだが、
「ルイジアナ・レイン」なんて曲は、何度も走りながら泣きそうになった。
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ単体のライヴは体験できなかったが、同じく1986年、ボブ・ディランと一緒に来日したときには観ることができた。当時僕はアダルト雑誌の編集長というものをやっていて、ほとんどまともに眠ることすらままならないほど忙しい日々を過ごしていた。だから当然コンサートなんていけないよ、とあきらめていた。しかしその日になってどうしても観たくなって、編集アシスタントのMという男に「当日券買って来い!」と走らせたのだった。そして武道館3階席の上の方でMと二人、半分眠りながら聴いていた。
※写真はトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ4枚目のアルバム『ハード・プロミス(Hard Promises)』(1981年)。僕は大学生で、映画館のバイト仲間のハルオくんに「今度のトム・ペティのアルバム、ありゃサイコーですよ」と勧められて初めて聴いた。「アメリカン・ロックの新しい希望だよ」ともハルオくんは言った。中古レコード屋と思われる店に立つ、さりげないジャケットが何ともカッコよかった。data:iPhone6 #Instagram #MOLDIV #VIVID