上手く眠れず、眠ったら起きられないという日々が続いている。何ともリズムが悪い。立て直したいと思いつつもまったく上手くいかない。今日は午後から取材。それでも仕事で人と会うと少しは元気になれる。特に前向きに頑張っている人と会うと刺激になる。13時、JR大塚駅にて『ビデオメイトDX』のマツヘン(松沢編集長)と待ち合わせ。同駅近くにあるプレステージというAVメーカーへ。
起業3年の新しい会社。スタッフも若い。制作を仕切るプロデューサー氏は30代半ば、ドレッドヘアーで若々しい。広報さんも長髪のハードロック少年のような人。会社の誰もが超多忙で、ハードロック広報さん曰く「ウチにカノジョ付きで入社したヤツは今ンとこ全員別れてます(涙)」とのこと。確かに僕にも経験があるけど、ごく普通のOLさんとかには土日に休めない仕事をしているという人生のコンセプトがまず理解出来ない。尚かつ彼氏が自分を放っておいて、AV女優さんと仲良く仕事してたりしたらそれはそれはムカムカするのではないか。
引き続き今度は中野坂上にあるSODクリエイト。colors(カラーズ)という新しいアイドル・レーベルを始めたプロデューサーH氏にお話をうかがう。この人はあの夏目ナナちゃんを発掘、育てた人。こちらの話もまた色々と刺激的だった。それとは別に、SODにはかつて仕事をしたことのある工藤さん、花崎さんという若いプロデューサーがいるので、「やあやあ久しぶり」と話す。特に工藤達哉さんは井口昇くんや伊勢鱗太朗監督と組んで作品作りをしていた人なので、一時期はシナリオの打合せやら取材やら、あるいは「ちょっと飲みましょうか」などと毎日のように会っていた。それがたぶん一年以上ぶりだ。
工藤さんと話していると、このセルビデオの業界というのが本当にめまぐるしい早さで移り変わっているのだなあと感じる。AVのメインストリームがレンタルからセルに移り変わり、メディアがDVDになり価格が下がった。秋葉原ラムタラを始めとする大型店が拡大していき、家電量販店にもアダルトDVDが置かれるようになって需要と供給は膨れあがるばかりだ。AVライターをやりながらこう言うのは不謹慎かもしれないが、僕は世の中にそんなにたくさんエロビデオなんて必要ないだろ、と思う。でもこの動きはたぶんしばらくは止まらないだろう。個人的には1989年くらいに感じた、AVバブルへと続く不穏な気配を感じる。この先どうなるかは本当に読めない。大切なのは状況に振り回されず、良い作品と良い作品を作っている人だけを冷静に見つめていくことだ。それしかない。