NHK朝ドラ『べっぴんさん』ですが、先週はキアリスの新入社員・西城クン(永瀬匡)が急に退社してしまった。ああいう、ヤル気を全面に出すヤツほど簡単に辞めてしまうというのは、よくあることだと思う。村上春樹さんが作家になる前お店をやっていたという話は有名だが、ジャズを聴かせるバーだったので、時々「自分もいつかジャズの店を経営したいんです。給料は要りませんから勉強のため働かせてください!」というような人が現れるのだと、エッセイに書かれていた。もちろん無料で働かせるわけにはいかないから普通のアルバイトとして雇うのだが、そういう人に限ってしばらくすると「給料が安い」と文句を言い出し、そのうち辞めてしまうのだという。

僕にも同じような経験がある。20代の半ば、アダルト誌の編集長をしていた。編集アシスタントが必要になったので、募集をかけた。会社に頼んで求人誌に広告を打ってもらったのだが、同時に編集後記にもその旨を書いた。すると若い男が突然編集部に訪ねてきた。ぜひ働かせてくれという。当時21才くらいだったか、確か専門学校を出たばかりと言っていた。名前をMとしておく。実はその前に知り合いの紹介で決まりかけていた大学生がいたのだが、直接やってきたMの熱意を無下にするわけにもいかず、その人は別の編集部にいってもらって雇うことになった。
Mは真面目な男で性格もよく、徹夜をさせても朝まで元気に働いた。ただし、ひとつだけ欠点があった。24時間でも30時間でも平気で働くのだが、一旦眠ってしまうと爆睡して起きられないのだ。だから時々会社に来なかった。当時は携帯なんてもちろんなく、Mはアパートに電話を引いていなかったからどうしようもなかった。そんなことが数回続いたかと思うと、やがてまったく出社してこなくなった。働き始めて3ヵ月くらいだろうか。そこそこ仕事も覚えかけていたし、何より僕は彼と上手くやっていけてると信じていたから、住所を頼りに訪ねていくことにした。
高円寺の、6畳一間の風呂なしアパートだった。Mは敷きっぱなしの布団の上に青ざめたような顔で座っていた。そして「辞めたい」という。居酒屋へ誘ってビールを飲みながら説得したが、「もう無理です」と繰り返すだけだった。駅までの帰り道を歩きながら、信頼って何だろうと考えた。答えは出なかったが。
※写真は中央線の車窓から見た高円寺の風景。data:iPhone6 #Instagram #MOLDIV #VIVID
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