それは昨夜のこと。夕方から都心へ出かける用事があり、我が家へ戻ったのは夜の9時前。いつものように駅への往復で使うマウンテンバイクをよっこらしょうと担ぎ、アパートの外階段を登り切ったときだった。玄関横に置いてある洗濯機の脇に、一匹のネコがいた。おそらくネコ屋敷の住人のひとり(?)、去年の初夏に生まれた茶トラ。コチラを見て明らかにビビッてはいるが、そこは袋小路になっているので逃げるに逃げられない。「なんにもしニャイよ、大丈夫だよ」と言いつつ自転車を置き玄関の鍵穴にカギを差し込んだ。すると、
ジジジッ、ジジジッと、門灯付近にとまっていた死にかけのセミが飛び跳ねた。なるほど、ネコはこのセミに釣られて2階まで上がってきたのだ。ネコとセミを残してコチラは部屋に入り、着替えなどをしていた。するとセミをオモチャ代わりに遊んでいるのだろう、トンットンッと尻尾か背中が玄関のドアに当たる音がする。着替えた服をしまい片付けなどして、さて風呂にするかと向かうと(我が家の風呂場は玄関横にある)、ネコはまだトントンやっている。その間約10分。「もお、セミが可哀想だからやめてやれ」と注意しようとドアを開けた。
違った。ネコはビクターのイヌよろしく小首をかしげてコッチを見上げていた。「お腹、空いてるのか?」と思わず訊いた。だって、まるでドアをノックしてたみたいじゃないか。まさか、外ネコがね、と苦笑しつつ、戸棚の奥に相棒たちのお墓参りのお供えネコ缶があったので、お皿に開けて洗濯機の脇に置いた。こちらは風呂に入り、風呂場の窓からこっそり覗くと「はむっ、はむっ」と夢中で食べていた。風呂から上がって洗濯するため外に出ると、お皿はまさに「舐めた」ようにキレイになっていた。
※写真は去年の7月。ずいぶん大きくなっていたからさだかではないが、昨夜のネコは左側の茶トラだと思われる(=^・^=)。data:iPhone4 #instaplus #Velvic #CRT