昨日の続き。このところ渋谷は来るたびにその姿を変えているわけだが、東口から山手線に乗らずにそのまま西口に出てしまったため、東急プラザが取り壊されようとしているのを初めて知った。調べてみると今年の3月にはすでに閉館していたらしい。ココの5階にあった紀伊国屋書店は特に好きだという本屋さんではなかったのだが、女友達との待ち合わせによく使わせてもらった。「早川文庫の棚の、ロス・マクドナルドの前でね」なんて言った。「言った」という記憶だからメールの無い時代、つまり90年代の前半くらいだろう。
もうひとつ、公園通りを上っていくといよいよパルコ・パート2が跡形もなく無くなっていた。もうずいぶん前から営業はやめていたはずだ(こちらも調べてみると、2007年から、耐震の問題だったとか)。ココは高校2年のとき、おそらく女の子と初めて映画を観にいった後に寄った。ウチの母親が礼服を買って、そのスカート丈か何かの直しを頼んでいて、息子が「明日の日曜日、渋谷に映画を観にいく」と言ったら、「だったらついでに引き取ってきてよ」ということになったのだ。
その女友達が「私が受け取ってきてあげる」と言ってくれて、僕はショーウインドウの外に立って待っていた。フォーマルドレスを扱うからけっこう高級な店だったのだが、少しも臆することなく美人の店員さんと相対しているその娘が、いつもの制服姿と違ったこともあり、ずいぶん大人に見えた。
※写真はそんな公園通りを上りきった先、代々木競技場第2体育館。そう言えばココにも女の子との想い出があった。渋谷の記憶は女たちばかりだ。data:iPhone6 #instaplus #Azoic #503CW