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お知らせです。作家・本橋信宏さんの新刊『迷宮の花街 渋谷円山町』(宝島社)が発売になっております。シリーズ前作『東京最後の異界 鶯谷』に引き続き、東良美季がカバー写真の撮影を担当させて頂きました。昨年12月5日の日記に、<とある本の企画で渋谷の街を一日中ロケハンに歩く。>と書いております。この日は本橋さんと、宝島社の名物編集者として知られ、本書の登場人物でもある藪下秀樹さん、そして直接制作を担当するフリー編集者・杉山茂勲クンと4人で、主に本橋さんからこの本の内容をお聞きしつつ案内してもらった。東京以外のお住まい方にはお判りにならないかもしれないので説明しておくと、「渋谷円山町」とはその名の通り渋谷区にあるとある地域。テレビの天気予報には必ず登場するスクランブル交差点がありますね、あの西側が「SHIBUYA109」。その裏側に位置すると思って頂ければよろしいでしょうか。
さて、その翌々日の12月7日、今度は杉山クンと2人、撮影場所を絞るべく再び渋谷の街を歩いた。1日目の段階で本橋さん、藪下さんの意見も取り入れ、今回は『東京最後の異界 鶯谷』の表紙のような遠景ではなく近景、そして昼間ではなく夜景、もしくは夜に限りなく近い夕景という方向性が出た。そして具体的な場所として、円山町の中心に位置する歴史ある割烹「三長」前の通り、そこからラブホテルの灯りを狙うのがいいのではないかという案が上がる。確かにこの「三長」の脇には、やはり円山町の象徴的存在でもある「道玄坂地蔵」もある。ここのお地蔵さんは何故かその唇に真紅の口紅が塗られている。それは色街だからという説と、あの東電OL嬢が生前、毎夜客を誘うため立っていた場所であり、彼女に感情移入する若い女性たちによって密かに引かれているのだという噂もあるそうだ。ともあれその場所は「円山町のホームページ」でもトップページの画像になっており、やはり「円山町と言えばココ」というイメージがあるようだ。 確かにこの場所でいい写真が撮れれば、本書にふさわしい装幀になるはずだ。ただしひとつ大きな問題があった。上にリンクした「円山町HP」の写真は横位置のパノラマで撮られてるだけでなく、おそらく真夏に撮影されたものであろうということだ。だから「三長」前にある別のお店(写真右側)の灯りが点き、お地蔵さんがライトアップされながらも通りが真昼のように明るいのだ(おそらくライトアップに露出が合っているため、道路が現実以上に明るく写っているのだろう)。しかし撮影時は12月初旬。最も昼間が短い季節だ。街灯やネオンの類が点く午後5時には、陽は完全に落ちきってしまう。12月7日の5時過ぎに杉山クンと共に訪れた時もやはり通りは真っ暗で、カメラを向けてもほとんど何も写らない。これではとても絵にならないとは思ったのだが、その日はちょうど日曜日で「三長」がお休み。門の上には大きな看板の灯りがあって、もしもそれが点けば通り全体が照らされるのではないかと予想された。 ということで翌12月8日、もう一度、今度は僕ひとりで撮影に赴いた。夕方4時半、太陽は完全に顔を隠す。空はかろうじて明るいが道はもう暗い。しかし割烹「三長」前に行ってみるとまだお地蔵さんのライトアップもされていないし、奥にあるラブホテルのネオンサインもついていない。仕方なく他の場所で別のカットを押さえてから、再び「三長」前に戻ったのが、iPhotoに残された記録によると午後5時12分28秒。ところが、である。「三長」の入口下方にある看板の灯りは点いているものの、頼りにしていた門の上の大きな看板が点いてない! しかも「円山町HP」の右手にある別のお店もすべての電気が消えていた。道は真っ暗だ。これはダメだ、まったく絵にはならないぞ──と思ったその時だった。背後からコツコツとハイヒールの音がして、振り返ると真っ白なワンピースを着た女性が、やはり純白のロングコートを翻して颯爽と歩いてきた。ヒールを入れれば身長175センチをゆうに超える、背の高い、スタイル抜群の人だ。思わずその後ろ姿にシャッターを切った。彼女は足早に歩き去ったので撮れたのはたった2カット。 家に戻り、他の候補カットと共にCCメールに添付して送ると、本橋さんからすぐに返事が来た。「やはり『三長』前の写真でしょう、白いコートの女性が効いてます」とあった。藪下さんも杉山クンも同じ意見だったようだ。結果『東京最後の異界 鶯谷』同様、妹尾善史さんによる素晴らしいデザインで、このカバーが生まれました。まさに奇跡のような一枚。もしもあの時、この女性が歩いて来なかったら、あるいはコートの色が白ではなく黒か紺だったら、コートが白だったとしても、彼女が小柄な女性であったら、この写真にはならなかったと思う。ところで、さっきから「白いコートの女性」と書いていますが、実は「男性」だったのではなかったかと、僕は密かに思っている。 ※写真はカバー帯無しのバージョン。ちなみに前作『東京最後の異界 鶯谷』は、本橋さんによる再取材も含めた加筆を加えた「宝島SUGOI文庫」版が、2月5日に発売されるそうです。
by tohramiki
| 2015-01-29 21:00
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