これはおそらく1986年くらい。僕が芳友舎というメーカーでアダルトビデオを作るようになり、劇伴としてLIBIDOの音楽を使わせてくれないかと頼んだ時だ。彼はレコーディングか何かで忙しい中、夜中になって僕が仮編集をしていた芳友舎の社屋までカセットテープを届けてくれた。メモの上方には「Side.A“低く飛んでいく” “道” 2nd single」、下方には「Side.B“Kiss my Area” “Venus in Furs” 未発表、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカバーです」と書いてある。ちなみに“Venus in Furs”の邦題は「毛皮のヴィーナス」である。それにしても中近東風のメロディを持った「低く飛んでいく」は、今聴いても少しも色褪せない、まさに名曲である。実は今日、11月に出る単行本『ぼくたちのエロ本疾走記』(イースト・プレス)の最後の原稿を書き終わった。成田くんと出会った編集プロダクション時代の話である。