土日は公園が混むので早起きしたいのだが、なかなか眼が覚めず9時に起床。10時よりjogに出る。118分。昼間は請求書を書いたりして、午後遅く外出。母親より簡易保険の証券再発行のため僕の身分証明書(運転免許証、パスポートなど)が必要と言われたので、実家のある小田急線新百合ヶ丘へ。ならば一緒に食事をしましょうと駅前の中華料理店で会う。今年83才になる我が母は、もうずいぶん前から自らの死の準備をしている。遺言を書き、自分がいなくなってから兄弟が仲違いしないようにと土地や家の権利書を分け、生命保険の受け取りや、戒名、葬儀の手はずまでを明記しているのである。ただし、惜しむらくはその準備を早く整えすぎたのか、あるいは自分が思のほか長生きしてしまったのか(笑)、家の大掃除や模様替えの際にはそれら書類を動かさなければならないこともあるので、その度に何かが無くなったと大騒ぎになる。
今回も昨年に二つあった銀行の貸金庫を一つにまとめたとかで、少し前何気なく調べてみると、息子(僕のことですね)のためにかけておいた生命保険の証券が何故か見当たらなかった。こういう場合たいてい、ウチの母親は「キーッ」となる(涙)。元来きっちりした人だから自分のミスを許せないのであろう。「掛け金は毎月ちゃんと払ってるんだし、今はすべてコンピュータで管理しているのだから、証券が見当たらなくてもそんなに慌てることはないんですよ」と言っても聞く耳を持たない。「ダメです。再発行してもらうから免許証持ってすぐに帰って来なさい!」ということにあいなったんである。しかしまあそういう事情なので「今日は私が払うわよ」と言われ、息子は生ビールに海老チリ、麻婆豆腐、海鮮サラダに蒸し餃子など、美味なる中華をオゴッてもらったからよかったのだが。
我が家から新百合ヶ丘までは電車に乗っている時間だけで往復約120分。その間、ロス・マクドナルド『魔のプール』を読んだ。創元推理文庫版で井上一夫訳。奥付を見ると1976年10刷とある。部屋の本棚にあったものを出がけに何気なく持って出たのだが、読みながらふと思い出した。23才の時、大学を卒業し初めて出版社勤めをした。その時実家から通う小田急線の中で読むために買ったものだった。