7時起床。朝から仕事。その前にメールチェックをすると、編集さんから「原稿、いかがですか?」とあった。発信時刻を見ると午前4時過ぎ。むむ、先方は徹夜で頑張っておられるのだ。急がなくちゃとカチャカチャとキーボードを叩く。昼前に書き終える。しかしゲラ(校正刷り)も次々と上がって来て、それらを読み終えたのが午後3時過ぎくらいだったろうか。やれやれとソファーに横になり少し昼寝。すると夢を見た。僕はワンタッチ式3段折りたたみ傘の開発に関わっている。そのたたみ方が難しく、図面にしなければならないのだが上手くいかない。実はさっきまで書いていた原稿というのがまったく素人の法律に関わることで、「うーむ、法律の次は折りたたみ傘かあ、大変だあ」と思っている。
しかしそんなことを言っていても仕方ないので、とある傘メーカーで折りたたみ傘の開発に長年たずさわっておられるという技術者の方にお話をうかがいにいく。その事務所は、何故か東京メトロ丸の内線新宿御苑駅の構内にある。現れたのはノーベル化学賞受賞者・田中耕一氏を思わせる温厚な人物で、「お昼時ですから、一緒にいかがですか」と言って手作りのお弁当を二つ出してくれる。それがまあ鰤の照り焼きをメインに玉子焼き、茹でたブロッコリーに桜でんぶと、黄・緑・赤がバランスよく入った美しいもので、思わず「いやはやお上手ですね!」と言うと、その人は「実は私、早くに妻を亡くしましてね。ずっと娘と私のぶん二つお弁当を作っていたのですが、おかげさまでその娘も成人いたしました。でも、二つお弁当を作る癖だけは抜けないんですね」と笑った。
眼が覚めると外は雨が降っていた。そうか、眠りながら雨の音を聴いていたから、折りたたみ傘の夢を見たのか、と思う。それにしてもあの鰤の照り焼き、美味しそうだったな。