一昨日の日記に「古い電話を捨てました」と書いた。それがコードレス3代目だった。ということはそれ以前、今の前のアパート、つまり
『猫の神様』(講談社文庫)に出てくる部屋に引っ越した時は、まだプッシュホンを使っていたということか? つまり若い人は知らないだろうが、アイボリーやグリーンなどの、いわゆる「カラー電話」というヤツである。懐かしいなあ。そして初めて買ったコードレスは確かソニー製だと思ったが、コイツがすぐに壊れてしまった。買って1年ほど、1995年の5月16日のことである。何故こんなに正確に覚えているかというと、オウム真理教の麻原彰晃が上九一色村のサティアンで逮捕された日だったからだ。今のように親機があって子機があるというタイプではなく、留守電のミニカセットと発信器を合わせたものがあり、それとは別に受話器を乗せる充電器がある、というスタイルだった。
つまり子機部分が壊れるとアウトである。かけられないし、先方からかかってきた電話も取れない。確か充電器と受話器の接続が不良になり、電池切れのような状態になったのだ。当時はメンテナンスの出張というシステムが無かったのか、それともあったけれど僕が単に知らなかっただけかもしれないが、ともかく自転車で30分ほどかかるサービスセンターに持ち込むしかないなということになった。念のため言っておくけど、メールなんてまったく一般的でなかった時代のお話である。しかしテレビでは朝から「いよいよ麻原逮捕か!」と特番の生中継が流れ続けていた。70年代の浅間山荘事件とまではいかなくとも、相当の人が画面に釘付けだったのではないか。僕もそうだった。やがてあの、赤紫色というのだろうか、不気味なオウム服に身を包んだ麻原の姿が護送車の中にチラリと見え、どうやら逮捕されたらしいということが判った。
そこからよっこらしょうと自転車を漕ぎ、確か府中か調布に近い、かなり離れたサービスセンターへ向かったのだ。しかし、途中から雨が降って来た。午前中、テレビで観ている上九一色村は雨だった記憶がある。あの低気圧が午後になって関東へと移って来たのではないか? やがて夕立のような強い降りになり、デイパックに入れていた電話機もびしょ濡れになった。とても自転車に乗り続けられず、古い雑貨屋さんのような店の軒先で雨宿りをした。降りしきる雨を見ながら、「これはもうだめだ、新しいのを買うしかない」と悲しい気持ちになった。おそらく、コードレス電話は今より相当高価だったのだ。その後どうしたのだろう? もちろん家に帰ったのだろうが、その記憶がまったくない。長い間雨を見続けていた、そのことしか覚えていないのだ。
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