7時起床。この日記をアップするなど雑用をすませ、午前10時を待ってアポイントメントとリサーチの電話をかけまくる。編集さんから送られて来た資料をもとに連絡先を探し、取材の内容や企画意図を説明し、予定や応じて頂けるか等々をお訊きする。さらにはあくまでリサーチの段階なので、こちらからお願いしたにも関わらず、企画が通らずボツになることもありますのでとお伝えする。個人商店や小規模な会社ならいいのだが、大企業ともなるとけっこうややこしい。「そういうご用件なら××支社ですね」と言われそちらに連絡すると「それでしたら関連会社の方になります」と電話番号を教えてもらい、そちらにかけると「いや、そういうご用件でしたらやはり本社の広報部を通して頂かないと」となる。
しかも先々ひとつひとつで担当者さんがすぐにつかまるわけではない。「電話中です」「席を外しております」となり、かけ直すと「違う電話に出てしまいました」となる。それでも、すごいなあと思うのは、皆さん実に親切に対応してくださるということだ。「取材の件でお伺いしたいことがあるのですが」というのは、考えてみれば突然電話して先方の仕事をひとつ増やしているわけだ。しかも会社にとって個人にとって、何かメリットが生まれるかどうかはまだ判らない。そんな段階にもかかわらず、である。要するにどの人も、自分の仕事に誇りを持っているのだろう。何処の誰だか判らない、怪しげなフリーライターと称する人物からの問い合わせであっても、個人の規範と戒律にも似た意識によって、丁寧に親切に対応しようと心懸けておられるのではないか。
我が身を振り返るとどうだろう? 僕も突然面識の無い週刊誌の記者さんから電話をもらい、「最近のアダルトビデオ事情についてコメントを頂けますか?」なんていう電話取材を受けることがある。丁寧に接しているつもりでも、何処かに「忙しいのになー、メンドーだなー」という気持ちはないか?(しかも僕らの場合、数10分ペラペしゃべっただけでギャラがもらえてしまう場合もあるのだ!)そう自分を戒めるのでありました。夜、電話をするには遅すぎる時間になってからやっと原稿書き開始。昼間の仕事に比べると、ただ文章を書くだけというのがいかに楽なことかとつくづく思う。
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