7時起床。8時過ぎよりjog。125分走る。まだまだ暑い。途中水分補給で水飲み場にしゃがみ込む時、下半身から頭の方へ身体の熱気がドッと押し寄せ、額からは滝のような汗が流れ落ちる。こんなにも元気な残暑が続く夏も珍しいと思う。戻ってからは本日も日がな一日仕事。トイレには相変わらず東海林さだおさんの本を置いている。ココ数日は1999年発行の
『なんたって「ショージ君」〜東海林さだお入門』(文藝春秋刊)をパラパラと再読。これは約800ページにわたる大著であり、自選のエッセイ集。つまりはベスト・オブ・東海林さだおである。ただし文春の本なので〈丸かじりシリーズ〉は除外され(あちらは朝日新聞出版)、『オール讀物』の「男の分別学」シリーズと、その前作とも言える『漫画讀本』に連載されていた「ショージ君のにっぽん拝見」が中心となって選出されている。
不朽の名作と呼ばれる「泣き笑い終電車」「春先のお出かけ」「すわるおばさん」の中央線三部作(←コレは僕が勝手に命名しただけ)も当然入っているのだが、久しぶりに再読して「あー、ショージさんって本当に素敵な人だよなあ」と思ったのが巻末に収録されたロング・インタビュー。これは雑誌『本の話』に掲載されたものらしい。東海林さんは漫画「タンマ君」(週刊文春)や「サラリーマン専科」(週刊現代)、「アサッテ君」(毎日新聞)用にアイデア帳というノートを作っていて、それがこの時点でスケッチブックで554冊。その他にもキャラクターの顔だけを描いたものが9冊。1冊に約800人描いているから、計7200人ぶんとのこと。これらを仕事の合間に描き、常にアイデアをしたためているのだそうだ。
東海林さん曰く「僕の漫画は農作物のようなもの。時々このアイデア帳をめくりながら、水をやったり肥やしをやったりしているとだんだん大きく育って実がなってくるから、それを刈り取って作品にしているんです」とのこと。何しろ上にあげた「サラリーマン専科」は週刊誌であり、「アサッテ君」は新聞だ。さらに〈丸かじりシリーズ〉の元となる「あれも食いたいこれも食いたい」も『週刊朝日』の連載。そのうえ月刊の『オール讀物』もある。当然イレギュラーの執筆依頼もあるはず。つまり〆切が無い日はほぼ皆無であろう。そんな中で、「時には〆切に終われギリギリで描くこともある。でもそういう自分が嫌なんです」と語っておられる。「僕は漫画は大好きだから、やっぱり楽しく描きたいというのがあるんですよね」と。執筆業の末席にいる者として、身に沁みる言葉である。