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残念ながら、元ザ・バンドのメンバー、リヴォン・ヘルムさんは現地時間19日の午後に旅立たれたそうです。彼のFacebookには「passed peacefully」とあります。その音楽性はもちろんですが、自伝『ザ・バンド〜軌跡』を読んでからは、その哲学、反骨精神、自由な魂に強く惹かれました。僕にとっては忌野清志郎さんと並び、誰より尊敬する音楽家でした。ご冥福をお祈り致します。以下は、訃報に触れる前に書いた日記。
昨日に引き続きリヴォン・ヘルムの話を──リヴォンは言うまでもなく70年代のロックンロールを代表するドラマーでありヴォーカリストではあるのだが、同時に80年代のアメリカ映画に於いて、寡作ではあるが役者として並々ならぬ存在感を示した。近作に2007年、宇宙人ジョーンズことトミー・リー・ジョーンズ製作・監督・主演による『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』があるが、これに出演したのはトミー・リーとの友情によるものだろう。というのもリヴォンが初めて劇映画に出演したのは、カントリーの女王ロレッタ・リンの生涯を描いた『歌え!ロレッタ愛のために』だが、彼を監督のマイケル・アプテッドに紹介のしたのがトミー・リー・ジョーンズだった。トミーがまたそれほど有名な役者でない頃(『ある愛の詩』にライアン・オニールのルームメイト役で出ている)、ザ・バンドのコンサートを観に来てから交遊が始まったらしい。 けれど、おそらくマイケル・アプテッドも、マーティン・スコセッシによる『ラスト・ワルツ』は観ていたはずで、あのドキュメンタリーで人生と音楽を語るリヴォンの陰影ある表情に惹かれたの間違いないと思う。そもそもザ・バンドのメンバーは全員役者にしたいようないい顔をしている。ロビー・ロバートスンも解散後、1980年の映画『カーニー(Carny)』にプロデュースとサウンドトラックで関わるつもりが、主演のゲイリー・ビジーに会うなり、主人公の一人に推され、ジョディー・フォスターと共にスクリーンに登場する。ただし、リヴォン自身は自伝『ザ・バンド〜軌跡』(1994年/ステファン・デイヴィスと共著)の中で、ロレッタ・リンの父親テッド・ウェブ役に抜擢されたのは、「ハリウッドには自分ほどの『田舎者』がいなかったせいだ」と嘯いている。 もう1本は何といっても1983年の『ライトスタッフ』だろう。この全編193分にも及ぶ長い長い映画は──何故こんなにも長尺かというと、NASAのマーキュリー計画に参加した宇宙飛行士を描きながらも、実はもう一人の主人公を描いているからだ。第二次世界大戦、ヨーロッパ戦線の英雄、伝説的な飛行機乗りチャック・イエガーである。合衆国初の有人宇宙飛行計画のため、当局が白羽の矢を立てたのは、カリフォルニア州東部モハーヴェ砂漠にあるエドワーズ空軍基地で、音速を超える命がけの訓練をしていたパイロットだった。イエガーはその中の第一人者。他にも海空軍海兵隊から選りすぐりの名パイロットが集められ、人類初の有人宇宙飛行士7人(マーキュリー・セブン)が決定するわけだが、その中にイエガーの名前は無い。何故なら宇宙飛行士資格の中に「大卒者に限る」という一文があったからだ。 結局チャック・イエガーは、他の仲間が全米の英雄になり、『LIFE』誌の表紙を飾る陰で、その後も延々と音速に挑戦する無謀なテスト飛行を繰り返す。このイエガーを演じるのはサム・シェパード。近年は俳優として有名だが、当時一般的には無名の劇作家であり、その時代にボブ・ディランのローリング・サンダー・レビューに同行、名著『ローリング・サンダー航海日誌—ディランが街にやってきた〈Rolling Thunder Logbook〉』を書く。で、余談ばかりが長くなったが、リヴォンはそのチャック・イエガーの相棒、ジャック・リドリー大佐を好演している。70年代アメリカン・ロックのボトムを支えた男が、空の英雄をサポートするという粋なキャスティングである。この時のリヴォンは髭を剃り落としているせいか、ずいぶん若々しく見える。40才そこそこではあるのだが、それでも老成していたザ・バンド時代と比べると、実に飄々とした面持ちだ。 『ザ・バンド〜軌跡』の中にはこの時のエピソードも語られている。リヴォンとサム・シェパードは撮影の合間、スタッフの一人から譲り受けたジョイントを、ロケ地の隅でこっそり吸う。けれど撮影現場には本物のチャック・イエガー将軍がいて、二人を見つけ「何をしてるんだ、マリファナか?」と問う。リヴォンは必死で話題を変えようとして、「将軍は釣りがお好きと聞いていますが、アーカンソーでナマズ釣りをやったことがありますか」と訊く。イエガー将軍は、ただ笑って首を振るだけだったそうだ。 ※上にリンクしたYouTube、『歌え!ロレッタ愛のために』に残念ながらリヴォンの姿はないが、「There He Goes」を唄うシシー・スペイセクと、若き日のトミー・リー・ジョーンズを観ることが出来る。『ライトスタッフ』には14:00分過ぎに登場。サム・シェパード演じるチャック・イエガーは、軍幹部より音速突破の依頼を受けるが、その前日妻と戯れに乗馬を楽しんでいた際に落馬。肋骨を数本折る怪我を負いながらもマッハ1.06を記録してしまう。イエガーは当日痛む患部を隠して飛行場に現れるものの、テスト機の搭乗口を閉めるのが困難だった。それを隠すため相棒のジャック・リドリー大佐に相談。リドリーの機転により、モップの柄を使ってハッチを閉めることに成功する。
by tohramiki
| 2012-04-19 09:29
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