昼間、何気なくTwitterを覗くと、「On The Drums」というドラム(打楽器)の情報を共有するアカウントに、「リヴォン・ヘルムが癌の末期段階にあると公式サイトで発表」というツイートがあった。まさか──と思ったが、Facebookのリヴォンのページにも、娘でミュージシャンのエイミー・ヘルムと奥さんによるメッセージが載せられていた。リヴォン・ヘルムは、ザ・バンドのヴォーカリストでドラム奏者、というだけで語ることは出来ない存在だ。アーカンソー州ヘレナの西、マーヴェルという小さな町で綿農家の長男として生まれた彼は、ラジオから流れるカントリー・ミュージックとブルーズを耳にし、週末にはミンストレル・ショーを観て育った。そこはすべての流れ者達が集い、異文化が交差する土地。そもそもロックンロールとはアメリカ南部に於いて、貧しい白人達の唄うカントリー&ウエスタンやブルーグラスに黒人文化であるジャズやブルーズがミックスされ、2拍目と4拍目を強調するバック・ビートが付き、人々が踊り出したことから生まれた。
Facebookのメッセージには「音楽で部屋を満たし、バックビートでみんなを踊らせることを何よりも愛してきた彼に愛と祈りを送ってください」という言葉がある(訳「On The Drums」より)。祈るしかない。けれど、この日記をアップしようとしている今は明けて19日の午前11時。長らく不仲が伝えられていたロビー・ロバートソンのFacebookには、彼が日曜日に病床のリヴォンを見舞ったというメッセージが載せられた。また、ロビーのページのカバー写真は今から7時間前(日本時間19日午前4時)に、ストラトキャスターを弾くロビーと、ドラムを叩き唄うリヴォンとのツー・ショットに変更された。