お知らせです。東良美季の新刊、
『東京ノアール〜消えた男優 太賀麻郎の告白』(イースト・プレス)が発売になっております。これは昨年出した『AV黄金時代〜5000人抱いた伝説男優の告白』の続編にあたるもので、80年代に一世を風靡したAV男優・太賀麻郎、彼は何故消えてしまったのか? 果たしてその後、どのように生きたのかを描いたものです。今回は便宜的に著者名は僕のみとなっていますが、基本的には前作と変わらず、麻郎くんとのコラボレーションです。映画に例えて言えば、彼が原作・主演、僕が脚色・監督をして一冊の本に仕上げたといったところでしょうか。この日記でも具体的な内容は示さないままに、何度か触れてきましたが、今年の4月より約8ヶ月かけ、ほぼ1日も休むことなく書き下ろしたものです。
Amazon.co.jpの書影には帯が付いていないので、ここでは帯付きのカバーを載せてみました。装幀は浅田政志さんの『浅田家』(木村伊兵衛賞作)、酒井順子さんの『金閣寺の燃やし方』で知られる川名潤さん。今、最も注目されているブックデザイナーだと思います。写真はやはり写真集『東京窓景』で木村伊兵衛賞を受賞した中野正貴さんの作品。圧倒的な装幀に仕上げて頂きました。四六判640ページ、厚さ4センチにも及びますが、実に手触りの良い本になっています。本とは決して文字とその内容だけではないと、著者自ら再認識させて貰いました。また、解説は第一回団鬼六賞受賞作家、花房観音さんが書いてくださっています。こう考えると、本当にたくさんの方々に助けて頂いて世に出た作品です。
80年代の初め、アダルトビデオというものが生まれ、その新しいメディアに人生を賭けた男達がいました。それがバブルの時代を経て、彼らはいったい何故、どのように負けていったのか。そしてあなたはあの頃、何をしていましたか?──それを思い出しつつ、読み取って頂けたら嬉しいです。今日twitterを検索したみたら、既にご感想を寄せてくださった方がいらっしゃいました。派手な宣伝は出来ない本です。そうやって少しでも多くの方に口コミで存在を知って貰えたらと、著者は願っております。何とぞよろしくお願い致します。