8時過ぎまで眠る。久しぶりに2日連続長めに走ると、やはり起きるのがしんどい。けれど、これは心地良い疲れであります。今日は体育の日ということですが、憶えてませんか? 中学や高校の体育祭翌日、あの筋肉疲労、あの感じです。朝起きるのがつらくて、でも布団の中で伸びをすると、固まっていた筋肉が伸ばされてスゲー気持ち良い。オジサンになってもこうして運動をしていれば、高校生の頃にタイムスリップ出来るワケです(笑)。早起き出来なかった理由はもうひとつ。昨日夜遅く仕事を終え、HDD録画しておいたビートたけしさんと鶴瓶師匠の対談番組を観ようと再生したら、映画『ダイ・ハード』をやっていた。どうやら予約する際チャンネルを間違えたようです。
しかしそれもまた正解。大好きな映画です。もう、たぶん20回近く観てると思うけど、何度でも同じように面白い。興奮する。何故ならココには、活劇のすべて、映画のすべてがある。それで遅くまで起きてしまったのですが──さて、優れた活劇の要素とは何か? まず第一にヒーローが異邦人であること。舞台はロサンジェルスだが、ブルース・ウィリス演じるマクラーレンはニューヨーク市警察の刑事だ。かの『ブラックレイン』も同じ構造でしたね。知らない土地での活動が主人公を不安にさせ、それが観る者にも伝播し、スリルとサスペンスを誘う。しかもクリスマス・イヴの夜という設定がイイじゃないですか。で、第二に助け出すべきヒロインがいること。これは言うまでもなく妻のホリー・マクレーン (ボニー・ベデリア)。しかも夫婦は別居状態にあり、彼女が旧姓を名乗っていることが、後々大切な伏線となる。
さらに、主人公と心を通わせるバディ(=相棒)がいること。これが黒人警官のアル・パウエル巡査 (レジナルド・ベルジョンソン)で、彼は過去に少年を射殺してしまったことから、銃が撃てなくなってしまったというトラウマを抱えている、この設定がニクイ。そしてコレもまた、重要な伏線である。そう、冒頭の飛行機のシーン、隣に座った旅慣れたセールスマンから、「裸足になれば安全に飛行する」というインチキ臭いジンクスを教えられるところからして、この映画は徹底的に伏線だらけなんである。しかもそれが非常にベタだから(笑)、従って観客は最後まで、そのオチがいったい何処にどう現れるのか固唾を呑んで見守ることになる。
そして何と言っても、悪党が徹底的に悪党なこと。しかもこの『ダイ・ハード』は、そこを描くシナリオ、演出ともに素晴らしい。大男のカールと、知的な黒人・テオが世間話をしながらナカトミビルに入って来て、一瞬で守衛を撃ち殺すシーンが、まず活劇の発端として、ある。わずか2カット、秒数にして10秒以下。これだけでカールがどれだけ非情な男か、テオが人の生き死にまったく我関せず、コンピュータの解除のみに興味のある危ないオタクだということを一気に説明してしまう。で、この二人を言わば露払いにして現れるのがイギリス人俳優、アラン・リックマン演じるハンスだ。コイツが悪い。悪いったら悪い。この憎たらしさに勝てるのは、『レオン』のゲイリー・オールドマンくらいだろう。
で、いよいよマクラーレン刑事が最初に対決するのが、図体はデカいが何処か頼りないトニー (アンドレアス・ウィスニエフスキー)という若いヤツ。あっけなく殺されてしまうのだが、これが実は大男のカールの弟。しかもマクラーレンが彼の死体をクリスマス・プレゼントよろしくデコレーションした挙げ句、スウェットシャツの胸に「HO-HO-HO!!」なんて書くもんだから、当然カールは怒る。狂ったように怒る。そうやってマクラーレンとカールの間に私怨が生まれるという見事な展開だ。くーっ、書いてるうちに興奮して来た(涙)。Amazon.co.jpで調べてみたら、3作まとめて入った
『ダイ・ハード トリロジーBOX』って2,000円しないんだよね。中古なら1,000円ちょっとだ。こりゃ安い。僕はこの第1作をアメリカ本土、シカゴで観た。その話も書こうと思ったのだけど、長くなったので、またいずれ──。