友人の作家・花房観音さんが、現在発売中の
『女性自身』で7ページにわたり紹介されている。同誌を代表する長寿連載「シリーズ人間」。これは歴代、重松清氏、勝谷誠彦さんという文章の達人がアンカーを務めた名企画である。今回がNO,2054、とある。彼女が団鬼六賞を受賞しデビューするまでの軌跡と、現在もバスガイドとして活躍する姿が描かれている。その花房さんの結婚パーティが18日の日曜日に大阪で行われると、ご主人であり放送作家の吉村智樹氏がmixiの日記にお知らせを書いておられた。僕は吉村さんと面識はないが、かつて同じ雑誌のお隣同士でコラムを連載していたことがある。こういうのは、お会いしたことこそないものの、何んと言うか赤の他人とは思えない。同志というか同級生というか。
吉村さんがかつて『ロック画報』に連載されていた巻頭口絵企画、「日本のロック原風景の旅」は大好きな連載だった。例えば日本のグレイトフル・デッド、めんたんぴんの故郷・石川県小松、あるいは村八分のライヴ・レコーディングが行われた京大西部講堂を訪ねるという、同世代のロックファンとしては羨ましいシリーズでもあった。また吉村さんと言えば、中島らもさんと生前お付き合いがあった。没後に発売された
『中島らも(KAWADE夢ムック 別冊文藝)』では、師と仰ぐ年上の友人を酒の上の事故で亡くした、そのやり場の無い悲しみを怒りを込めて綴っておられた。初めてメールを差し上げた時、その原稿を読ませて貰った時の想いをお伝えした記憶がある。
さて日曜日のパーティだが、古民家だろうか(吉村さんは「昭和レトロな」と書いている)、和室で座布団を敷き、思い思いに飲んだり食べたりする会だそうだ。「会費はいただきません。結婚祝も遠慮させていただきます」とある。ただし、出席する人は何らかの食べ物、飲み物を持参するとのこと。さらに「13時〜21時この場所を借りておりますので、皆さま、好きな時間にお越しになって、お好きな時間にお帰りくださいませ」「なんでしたらお昼寝をしてください」ともある。なんてお二人らしい、自然体の集いだろう。お酒を飲んでホロ酔いになって、友人達が新郎新婦に「おめでとう」「おめでとう」と言う声を聞きながらウトウトする。そして偶然来ていた知り合いに「久しぶり」と肩を叩かれ、冷たいビールを眼を覚ます──こんな穏やかな午後は、そう味わえるものじゃない。
僕は長年、高い金(お祝い←しかも偶数は「別れる」から2万じゃなくて3万円包めだぁ?)取られてマズい飯食わされ、「3つの大切な袋」だとか「夫婦は空気のような」とかバカくさい話聞かされにゃならんのかと、結婚式なんて絶対に行かないという姿勢を貫いておりますが、こういう会なら是非お祝いに駆けつけたいですね。まあ、東京と大阪なのでそれも叶いませんが。吉村さん、花房さん、おめでとう。どうぞ末永くお幸せに。いつまでも笑いに包まれたご夫婦でいてください。