一昨日の取材の帰りスーパーに寄ったら、長さ1メートル程のずっしりとした、何とも美味しそうな牛蒡が売っていたので、買って来て昨日の夜、久しぶりにキンピラゴボウを作ってみた。これに人参中くらいの2本で、ボウル一杯ぶんくらい出来る。キンピラゴボウってのは、ある程度作るのに時間がかかる。こうして仕事に追われている時には向かない料理なのだが、作っておけば3日くらいは、仕事終わりでコイツをつまみつつ「のどごし〈生〉」を美味しく飲める。
僕はですね、豚バラ肉を入れるのが好きなんですね。スーパーで豚バラのブロックを買って来て、牛蒡や人参に合わせた長さで、太さはちょい大きめに切る。要は青椒牛肉絲に入れる肉の感じですね。これをまず油をひかずテフロン加工のフライパンで炒める。バラはそれだけで相当量の油が出る。肉をいったんお皿に取り、油は余計な量を捨てる。お好みですが、大さじ1杯半から2杯くらい残す、といったところでしょうか。その油で牛蒡、人参と炒めていく。
味付けはあらかじめ合わせ調味料を作っておく。まずはだし汁、と言いたいところだが、時間もないので粉末スープを使う。味の素の「丸鶏がらスープ」は美味しいと思う。そして砂糖、醤油。牛蒡と人参に充分火が通ったら、先ほど炒めておいた豚バラを投入して混ぜ、合わせ調味料を入れて炒め煮にする。アルミ箔で落とし蓋を作り、被せて水分がイイ感じに減るまで。最後に味醂で照りを出し、火を止めてからゴマ油かラー油をタラ〜リ。最近やっと買いやすくなった具だくさんラー油も実に合う。毎回食べ物ネタの時には書いてる気がするが、キンピラゴボウも蓋の出来る容器に移し替え、一晩以上寝かせた方が圧倒的に美味い。食べる時に白ゴマを振る。
それにしても、牛蒡は大根同様、スーパーで一年中買えるけれど、やはり寒い冬が良い。寒い寒い、暗く冷たい土の中で、じっと耐え自分の出番を待っていたような、そんな暗い性格(?)のヤツほど美味い。現在、これを書いているのがリアルタイムで夜の11時10分前。毎朝5時に起き、こうして夜中近くまで原稿を書く生活が続くと、自分が泥の中でジッと眠るゴボウさんのような気がして来る。元々決して明るくはない自分の性格が、どんどん暗くなっていくのが判る(涙)。陽のあたる外に出るのはいったい、いつになるのだろう?