昨夜は久々に遅くまで飲んだので起きられず。「ま、土曜日だしいいか」と布団の中でゴロゴロしていたのだが、そうか、今日は11時に消防器機の点検があるのだと思い出す。ポストにお知らせが入っていた。係の人が部屋に入り、カンテラのついた棒で天井に備え付けられた報知器と感知器を熱し、実際に鳴るかどうか確かめるのだ。昨日、深夜に取材から戻りそのまま寝てしまったので部屋は散らかり放題だ。起きて少し片付けないと、空気の入れ換えもしたい──そう思いながらも起きられず、また眠りに落ちた。
すると夢を見た。僕は10代までを過ごした川崎の実家にいる。そこは引っ越したばかりのようで、家具や段ボール箱が床に散らばっている。僕はその片付けをしているのだが、現実も入り込んでいて、「早くしないと点検の人が来るから」と慌てている。そしてフト気づくと、相棒のぎじゅ太が本棚の上にちょこんと座り、コッチをじっと見ていた。「なんだお前、そこにいたのか」と僕は言う。ぎじゅ太は眼をまん丸にして、少し驚いたような顔をしている。彼の奥には、みャ太が丸くなって寝ている、その背中が見えた。
「ぎじゅ、何ビックリした顔してる? 久しぶりに会ったからか」僕はそう軽口を叩いて作業を続ける。久しぶり──? ぎじゅ太は死んだんじゃなかったのか。みャ太はどうしたんだっけ、いや、みャ太も死んだはずだ。するとあそこにいる彼らは霊ということになるのだろうか。それにしてははっきりしてる。足もちゃんとあるし、生きてる時と何も変わらない。踏み台を持って来て本棚の上から下ろし、抱っこしてやろうかと思う。その時、玄関のチャイムが鳴った。点検の人が来たのだ。玄関に行ってドアを開けると、カンテラの代わりに銃を肩にした、オモチャの兵隊がずらりと並んでいた。