夕方より外出。長野県在住のAVライターでブロガー、遠藤遊佐さんが上京されるというので、HMJMのタートル今田監督を交えご飯を食べつつビールをガブガブ飲みましょうという会。今田くんのことは
以前この日記で書いた。何度も顔は合わせているのだが、こうしてちゃんと話をするのは初めて。遠藤さんも、メールのやりとりをさせて貰うようになり、おそらくもう3年近く経つが、先日とあるインターネットサイトの打合せの時初めてお会いした。で、「今度東京へ来ることがあったら会いましょうね」ということになった。美人でとても可愛い人である。
今でこそ、女性がアダルトビデオについて書くのはそれほど珍しいことではなくなっているが、彼女はその先駆けだ。ブログというものが日本にはまだなく、「さるさる日記」や「日記鯖」と言った、いわゆるレンタル日記サイトも始まる以前から、ネットを使って発信していた。もちろん出版社やAVメーカーといった後ろ盾一切ナシで、である。遠藤遊佐という、この美しくもセンスの良い名前はベンネームであり、同時に〈エンド・ユーザー〉のもじりだ。つまりはプロのライターや職業批評家ではなく、ファンの立場からAVについて書くという意味だろう。
さて今夜、今田くんチョイスで向かったのは、新宿歌舞伎町の外れ。新宿区役所の裏、東通りを風林会館へ抜ける手前。左手のワンブロックに、とても此処が日本とは思えない、バラック風の小さな中華街がある。僕も何度か来たことがあって、入るのにちょっと勇気のいる店ばかりなのだが、大抵は何処も気の良い中国人ママさんが迎えてくれる。7時過ぎ、香港映画のセットみたいな細い階段を上がりドアをあけると、歌舞伎町の多国籍バーか性風俗の出勤前なのだろう、中国人のお姉さん達数名が腹ごしらえしていた。
こういう店の中華が美味くないはずはない。単に青菜を炒めただけ、というような料理が絶品なのは、日本人経営のところでは絶対に味わえない。そんな中で冷たいビールを飲み、「トーラさんの胸にズギューンと来るエロのツボって何ですか?」「んー、まずは女の人がガーターベルトをしていて・・・」「そのガーターは必須ですか?」「必須でっす!」というような、世にもくだらない、世の中の何の役にも立たない下ネタを語って極ウマ中華を食べる(涙)。人生のシアワセである。
他にも、今田くんという人はしゃべり方が極端に遅いのだが、家族全員がそうなので、高校生の時友達が家に遊びに来て指摘されるまでまったく気づかなかった、とか。彼の祖父母4人中、3人が現在100才を超えてご存命であり、今田くん本人も「僕は死ぬ気がしない」とムチャクチャなことを言う。しかしそれはやはり彼の中で、普通の人よりも何倍もゆっくり時間が流れているからではないか? とか。遠藤さんが現在同居しているお祖母ちゃんは94才で、家族の中で誰よりも威張っている。これはやはり人間長生きしなけりゃ損ですね、という結論となり、3人で〈100まで生きよう会〉を結成した。12時を廻るまで。店を出るとまた雨。湿気に沈んだ歌舞伎町リトルチャイナタウンは、まさにブレードランナーの世界であった。
※遠藤遊佐さんの文章はサイト
〈WEBスナイパー〉で読めます。