実はココ数日、不調です。一時期芳しくなかった身体の方は、おかげさまですっかり健康を取り戻したのですが、何故かですね、文章が上手く書けない。僕の場合フィジカルに問題がある時意外は──つまり、すごく疲れてるとか眠いとか極端に空腹だとかの場合は除いて、原稿が書けないということはない。もちろん駆け出しの頃はありましたが、30代の半ば、もうこの先はずっと文章を書いてご飯を食べていくのだと決めて以来、それなりのトレーニングを積んだこともあり、「書けなくて苦しむ」ということは一切無くなった、はずだった、のですが・・・此処2週間ほどは、この日記を書くのにすら苦労する始末。いやはや。
なので本来であれば次の仕事に向かって説得力ある企画者なんぞをバリバリと書いていないといけないのだが、編集担当Tくんに電話して、「うーん、何だか書けないんだよねー」なんて愚痴をこぼしたりしている。で、今日は昼間から雨。午後遅くから『有賀幹夫写真展 KING OF ROCK'N ROLL 忌野清志郎』の最終日へ行く。女友達の一人がわざわざ招待券をくれたのだが、こういう状態なので無理だと諦めていた。でも、どうせ家でiMacに向かってジリジリしてても書けないのだからと、開き直って出かけたわけです。
会場は渋谷東急本店7階・催物場。有賀さんは日本人唯一のザ・ローリング・ストーンズ、オフィシャル・フォトグラファーとしても知られる人。展示された写真は雑誌等で発表されたものもあったが、それでもすべてがB全以上、中には縦3メートル横1.5メートルくらいに引き伸ばされたポートレートもあり、清志郎さんとRCサクセション全盛期がひしひしと感じられるものだった。特に1986年『the TEARS OF a CLOWN』の時のものだろう、日比谷野音の写真が素晴らしかった。「ヒッピーに捧ぐ」がおそらくエレクトリック編成になって初めて演奏された時、曲のラストで清志郎さんがステージの床をのたうち廻るようにして唄った、あの時のカットもあった。
お客さんは女性が8割方。僕と同世代か、少し下くらい。永遠にオバサンになれないロック少女達。きっと20数年前の野音や武道館で、前や後ろ、隣の席で踊ってた女の子達だと思うと、胸に詰まるものがあった。