6時起床。昨日に続いて暖かい。春を予感させる曇り空の下、jogに出る。公園には梅林がある。広さは野球場の内野くらい。約1メートルほどの築山が幾つかあって梅の木が植えられ、その間をうねうねとした歩道が造られている。今は白梅が4分咲きといった程度。続いて赤、黄と咲いていく。これからの季節は、この梅林をウォーミング・アップにゆっくり走る。それが楽しみ。戻ってお風呂に入り、昼食をとりながら1月17日に放送された『ガキの使い〜絶対に笑ってはいけないホテルマン』の未公開シーンを、「あはは」と笑いながら観る。
ダウンタウンとココリコ、山崎邦生の新人ホテルマンが、深夜の宴会場で行われる謎の新興宗教集会に参加するというもの。これがアムウェイと通販番組のインチキ臭さとオウム真理教をゴチャ混ぜにしたような内容で、Twitterではたくさんの人が「これはヤバイだろ」「大晦日に放映出来なかったのが判る!」と呟いたそうだが、確かにギリギリの設定である(笑)。特にヘンな外人の演じる教祖と、板尾創路の広報部長は麻原と上祐にソックリだった。教祖は最後に背中をフックで吊られるバレバレの空中浮揚までやった。
それにしてもあの事件から15年。笑いに出来るというのは、それだけ良い時代になったのだと思う。上祐という、見るからに薄っぺらで頭の悪い男が毎日のようにTVに登場し、もっともらしいことをペラペラとしゃべっていたあの頃。マスコミの一部は「頭が良い」と言い、バカな女の子達は「上祐さんカッコイイ」と言っていた。僕は当時からあの男が嫌いで、TVを観るたびにイライラし、けれど重大な事件なので行く末に無関心ではいられず、消してしまうわけにもいかないので常に腹立たしかった。
上祐みたいな男は新興宗教だけでなく、ベンチャー企業のナンバー・ツーなんかにもよく居る。要は小さな世界で自分の地位の安定だけを考えているヤツだ。考えることが少なくて済むから、一見クールで論理的に見える。トップというのは、その世界観が大ウソであろうがインチキであろうが、一応理想を語らねばならず、だからウサン臭く醜いものだが、ナンバー・ツーにはそのリスクが無い。眼の前で起こることだけに対処していれば良い。
これは一見、クールで理知的な現実主義に思えるが、それこそ大ウソだ。人間というのは今日より明日、明日よりその先をより良く生きようとするから苦しい。でも、その苦しさに正面から対峙しないと何も始まらない。何故なら理想に一歩でも近づいた時、我々は初めて快楽を味わうからだ。パチモンの現実主義を語るヤツはバカだ。オウム事件から15年。被害に遭われた方、傷ついた人はこのようなお笑い番組を不謹慎と感じるかもしれない。けれど、バカを「アハハ」と笑える時代、「王様は裸だ!」と指させる自由は、何より大切なことだ。