6時半起床。冷たい空気だが、春の気配がひしひしと感じられる曇り空の元を走る。112分。パナソニックが世界で1万5千人規模の人員を削減・配置転換すると発表し、三菱自動車は09年を以てダカールラリーから撤退することを決めたそうだ。jogから戻り、ストレッチしながらテレ朝の『スーパーモーニング』を観ていると、とある中小企業のオーナー──というより町工場のオッチャンといった方が似合いそうな──が取材を受け、彼はリストラはせず、自身の給与70%カット、社員は30%減のワークシェアリングでこの不況を切り抜けると語っていた。少し誇らしげな表情だった。
何故リストラをせずこのやり方を選んだのかというと、その会社には内部留保が少なくとも2年分あり、その間に絶対に会社を建て直す気構えがあるからだそうだ。オッチャン曰く、今、長年キャリアを積んだ熟練工を馘首にしてしまったら、2年後には絶対戻って来てはくれない。だから就労時間を削減し、給料を互いに分け合いながらこの不況を乗り切るのだ、という。こう考えると、パナソニックや三菱自動車の方針がよく判らなくなって来る。
パナソニックは何故今人員を削減するのか? 今後絶対に業績が上向くと考えられないのか。それとも今までは製品自体を作り過ぎていたか、あるいはITを初めとした技術の進歩で、人の手が以前より必要無くなったのだろうか。三菱にとってラリーに参加するということは、企業イメージのアピールだけでなく、パジェロのような車種を開発するためのノウハウ作りでもあったはずだ。レースのような贅沢はしません、余剰人員は削減します、我慢します耐えて好景気を待ちますという姿勢を表現したいのかもしれないが、それでは企業だけでなく、その影響を受ける一般の人々の希望さえも奪い取ってしまわないか。
大企業の経営に携わる人はけっこうなお歳の人が多いだろう。彼らは20年後、30年後に大人になる、今の子供達のことを果たして考えているのだろうか。取り敢えず自分がその会社に居る間だけはと逃げ切ってしまえば、優雅なリタイア生活が待ってる──そう予測してしまうのは穿った物の見方なんだろうか。