この日記を読んでくださってる方から、時々「とてもストイックで規則正しい生活をされているのですね」と言って頂くのだが、いえいえ、そんなことはありません。本日は起きてみると既に午後3時でした(涙)。別の言い方をするといわゆる15時。昨夜は確か12時前には布団に入った記憶があるので15時間惰眠を貪ったことになります。さすがにこのくらい寝てしまうと身体がだるい。何もする気になれず呆然と過ごす。トイレに入り、用を足しながら村上春樹さんの短編集
『象の消滅』をばらぱらとめくり、その中の「納屋を焼く」を読む。
この作品集はレイモンド・カーヴァーやジェイ・マキナニーの担当編集者としても知られるゲイリー・L・フィスケットジョンの手により米国クノップフ社より発行されたものが、2005年に新潮社から発売された、いわゆる逆輸入版である。「納屋を焼く」の他にも「午後の最後の芝生」「ファミリー・アフェア」「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子と出会うことについて」等、特に初期の代表的な短編が収められていて、ファンとしては当然すべて読んでいるわけだが、新潮装幀室の素晴らしいデザインに惹かれ、また「アメリカで『象の消滅』が出版された頃」という短いエッセイも載っていることもあり、本屋で手にとってすぐに買うことを決めた。
当然すべて読んでいる──と書いたけれど、「アメリカで『象の消滅』が出版された頃」によると、幾つかの作品に手を入れてあるそうだ。特に「中国行きスロウ・ボート」に関しては「かなり手を入れた」とある。また「レーダーボーゼン」は『ニューヨーカー』誌に掲載された段階で編集者の手が入り短縮されたショート・ヴァージョンとのこと。ところで「納屋を焼く」の英語タイトルは「Barn Burning」。僕はコレ、春樹さんはこの短編を書く時点で密かに考えていたのではないかと睨んでいるのだが、どうだろうか?