5時起床。ああ、この季節の5時はもうこんなに薄暗いんだ、と気づく。6時よりjog、130分。いつもより1時間早起きしたのは、今日は何が何でも夜7時までに原稿を書き上げなければならないからだ。井口昇監督の
『片腕マシンガール』(←予告編・すごい量の血がが飛び散るスプラッター映画です。苦手な方はご注意を!!)を観に行くためだ。先月末やっとのことで『実録・連合赤軍〜あさま山荘への道程@下高井戸シネマ』を観て、よし、次は井口くんだ、と思いつつもなかなか時間が取れなかった。東京はシアターN渋谷、池袋シネマ・ロサ共に明日まで。明日はReal Simple Japanウェブサイト、だいごなおみ先生とのトーク・セッションなので今日しかない。
しかし夜9時からのレイトショーが幸いした。6時半に何とか終わり、編集さんに「書いたまま送ります。誤字脱字、変換ミス等あるかと思いますが、すみません!」と書き添えメールで送り、慌てて家を飛び出す。井の頭線で渋谷、シアターNへ。上映10分前に無事到着。作品の出来は、予想を裏切らず素晴らしかった。やはり井口昇という男は、その肉体の100%が映画で出来ている。つまり、何を撮っても隅から隅まで映画なのだ。そして、相変わらず徹底的にビザールだ。つまり怪奇的で変態的で、子供のように自由気ままなのだ。冒頭、シナリオ作法から言うと決してありえない、しかし物語の本質を鷲掴みにするタイトル・バックからして凄まじい。
実景が異様に美しい。これは日本に違いないのだけれど、日本の何処にも存在しない風景である。つまりこれは外国人が、それも日本と中国と香港とタイの区別のつかないような人々が見た、B級C級カンフー映画なのだと判る。ただ、ヒロインの弟がいじめっ子達に殺されるまでは、「井口くん、意外に普通に撮ってるな」という印象だった。しかし──と書き始めたら長くなってしまったので後日『追想特急〜lostbound express』の方へ書き直します。上映が終わったのが11時。家に辿り着いたら12時を廻っていた。相変わらずたった1本の映画を観るのにやたら手間がかかる。しかし、苦労を補って余りある上映時間96分だった。