今日は地震一色の日だった。例によって早起きが出来ず、ベッドを出たのは8時半頃。デイヴ・メイソンの1970年のアルバム、『アローン・トゥゲザー』をかけながら20分ほどストレッチして、さてそろそろジョギングのウェアに着替えようかとTVを付けると速報ニュースが流れていた。秋葉原の事件に続き、しんどい出来事がまたもや起こってしまったわけだけれど、今朝は災害報道の仕方が少し変わったかなと思った。たぶん、阪神大震災以来、色々と反省があってのことだと思う。多少遅過ぎた感もあるが──。
1989年、サンフランシスコ大地震があった時、僕はホノルルのコンドミニアムにいた。現地は夜だったと思う。CNNを初めとするほとんどの報道番組が、停電し、所々で火の手が上がるサンフランシスコ、バークリーの真っ暗な街を延々と映し続け、アナウンサーは「火を使っている人は直ちに消してください」「慌てて外に飛び出さないでください」「怪我人がいたら救護してください、医療の心得がある人は地域の公共機関に申し出てください」というようなことを何時間もしつこいほどに繰り返していた。それは、英語の出来ない僕でも何を言っているのか理解してしまうほどだった。
アメリカというのはこういう時、すごい国だなと思った。合理的と言うかプライオリティというものを第一に考えるというか。真っ暗な街を映しているだけだから、そこでいったい何が起きたのかは判らない。震度はどうだったのか、どのくらいの被害があったのか。しかし、そんなことはハワイでTVを観ている者はもちろん、実際現地で停電の中にいる人にも関係無い。大切なのは、この先これ以上危険な眼に遭わないことであり、怪我をした人がよりよい状況へと動けることだ。今日のテレ朝、フジ、TBS等の報道も、地震発生から1時間くらいはずっと「火事に注意すること」「慌てて外に飛び出さないこと」を言い続けていた。僕はニュース番組やワイドショーが好きな方だから自戒を込めて書くのだけれど、本来報道にアミューズメントなんて必要無いと思う。