6時に起きるものの、昨日から続く鼻と喉との違和感にジョギングを自粛。朝からこしょこしょと原稿を書く。果たしてこれは季節はずれの風邪のひき始めなのか、それとも季節の変わり目に訪れる例の
花粉症でもないのに花粉症的症状なのか? わからないままiMacG4に向かっているとやたら汗をかく。んー、風邪なのかなー、などと思いつつ外出。外は奇妙な天気である。風がやたら強く、風が吹いている時だけ涼しいけれど、陽射しはやたら強く、風があるわりに湿度が高く蒸し暑い。2時過ぎ、マイミク(mixi内のお友達、の意味)
しきはんさんがお仲間二人と、四谷3丁目で催されている写真展
「針穴魂」へ。
しきはんさん達が撮るのは、その名にもあるようにピンホール・カメラ、つまり針穴写真機を使った写真だ。僕はそういう写真があるということは何気なく知っていたけれど、しきはんさんとネットを通じて知り合い、彼女のブログ等にアップされた作品で初めて実物を見た。何気ない風景を撮っていても非常に幻想的で、全体的に薄暗いのだけれど時折原色が実際のそれよりも鮮やかに写っていたりする。例えて言えば夢の中の映像というか、寺山修司の映画とか、モノクロの針穴写真の場合はつげ義春が描くマンガの一場面のようでもある。そして、誤解を恐れずに言えば、少し恐い感じもする。
付き合ってくれた女友達のNが好奇心丸出しで矢継ぎ早に質問するので(笑)、それでもしきはんさんが色々と丁寧に説明してくれて何となくその秘密の一端が判ったような気がした。針穴写真というのは文字通り針の穴のようなごく小さな穴(1ミリ以下)で撮るので、光を取り込むのに時間がかかる。ということは出来ないことはないが、人物や動物のように動くものを撮影するのには適さない。すると自然に対象は風景など、つまりは静物になる。要するに、針穴写真で撮られるのは、生きている物がいない世界なのだ。そう考えると、夢の中の映像、寺山やつげ的な幻想的でちょっと恐い世界という印象はあながち思い込みだけではなかったのかな、という気がする。
その他にも、そう言った写真が、ドロップの空き缶みたいなのとか印画紙を入れる箱という、実にチープなもので自作された写真機で撮れてしまうというのにはびっくり。しかし一方では香港の家具職人がひとつひとつ手作りしているという、実にアンティーク感覚溢れる家具調写真機も見せてもらい、これが4×5の木製カメラをミニチュア化したようで何とも可愛い。また、フィルムではなく印画紙をカメラの中に入れて、直接焼き付けてしまうという方法もあるのだと教えて貰った。
その後はNと四谷からぶらぶらと歩き、新宿御苑へ入って散歩。行ったことのある人は判ると思うけれど、御苑は濃い木々に被われた場所に、陽当たりの良い美しい芝生の広場が点在する。森の中を歩いていると涼しいのだが、いったん芝生の方へ出ると真夏のように蒸し暑い。どうやら午前中に風邪かなと訝ったのは間違いだったようです。やはり季節はずれの飛び切り蒸し暑い一日でした。