NHK・Eテレで放映されている
『おとなの基礎英語』が楽しくて、毎回録画して観ている。そもそも僕はお昼ご飯の用意などするとき、ワイドショーをヘッドホンで音声だけ聴きながらやっていた。あの手の番組はいい意味で聞き流せるからです。ところがご存じ昨年11月に発覚した日馬富士暴行事件である。そりゃあ暴力はいけないだろうし、もしも相撲界にそれらを隠蔽するような体質があれば正さにゃならんだろうが、貴乃花親方がなんにもしゃべらないとか八角理事長が激怒なんて話になってくると、「イヤハヤ、サスガにもうしんどいな」という気分になってきた。ワイドショー、豊洲の盛り土や森友・加計問題をやってた頃は面白かったんだけどなー。
で、同じ聞き流すなら英会話番組でいいんじゃないかと思った。別に英語が堪能になるとかヒアリングが上達するかなんてわからないけど、「鏡山親方が貴乃花部屋訪問しても応答はありません!」なんてことを聞くよりはマシだろうという、そんな消極的な理由だった。ところがコレが、観始めたらすっかりハマッてしまったんですね。かつてNHK教育テレビ時代の英会話番組というのは、白ホリの無味乾燥なスタジオでコント風のスキットが行われるというものだったが、この『おとなの基礎英語』はロンドンとニューヨークを舞台にロケ。少なくとも画面上は(何しろ学習用なのでシナリオなどは別として)海外ドラマ風にしっかり作られている。
一方スタジオの方はオーストラリア出身で東大留学経験もある才媛、ミュージシャンのサラ・オレインちゃんがナビゲーター、生徒役は女優の田丸麻紀さんで、講師は立教大学の松本茂先生というラインナップ。で、何がいいかというと、例えば先週放映分の「ニューヨーク編」のスキットで、ミュージカルダンサーを目指すルームメイトの女の子に、主人公の梨沙(岡野真也)がこう伝える場面があった。「I know you can do it」。アメリカ人が好んで使う表現だそうです。ワタクシメも一応中学高校と英語は勉強してますから、意味は何となくわかる。
ところが、そこで松本先生がこんなことを言うんですね。「じゃあ、その〈I know〉の部分を〈I think〉に代えるとどうなりますか?」と。「I think you can do it」だと、「ウーン、まあキミなら出来るんじゃねーの、きっと」的な、投げやりな言い方になる。そう言われてみると、「I know you can do it」の「大丈夫、キミなら出来る、信じてるよ」というニュアンスが、より鮮やかに理解出来るような気がするんですな。「へー、ナルホドね」と思わず呟いている自分がいる。勉強の出来ないワタクシですから、いつまでこのフレーズを覚えていられるかは自信ないけど、「へー、ナルホドね」と思うと、ちょっと得した気がする。その先半日くらいが、ほんの少しだけ幸せに過ごせる。
毎週火曜日〜金曜日、放映時間10分というのも嬉しい。僕の場合、大抵2回繰り返して聞き流しながら食事の支度をして、食べるときにはいつものように『水曜日のダウンタウン』などお笑い番組を観て、食べ終わり歯を磨きながら『おとなの基礎英語』をもう一度しっかり観るというパターンを繰り返しております。他には、アンジャッシュ渡部クンと元水泳選手の宮下純一クンが生徒役の
『しごとの基礎英語』(NHK・Eテレ 月曜日〜木曜日 午後10:50〜11:00)もおすすめ。
※『おとなの基礎英語』には「みんなでKey Phrase」という短いコーナーがあって、ニューヨークやロンドンに暮らすネイティヴの人たちが、その日の重要なセンテンスを発音する。このお姉さんが立っているのは、おそらくイーストリバー沿いの遊歩道
「ブルックリンハイツプロムナード」。ハァ、もう一度行ってみたいなニューヨーク。data:iPhone6 #Instagram #MOLDIV #X-PRO