またまたiPhone写真術的なお話を。写真というのは現実にあるものを、ただそのまま写し出すものではなく、撮った人の印象を画にするものなのだ──なんてことを以前書いた。だから例えば愛しく思っている彼女を、ブサイクに撮っちゃったりするとあまり具合がよろしくない。「要するにアナタはワタシをこう見てるワケよね」などとヘソを曲げられ、焦って「いや、ボクはありのままのキミが好きなんだ」とか口走ってしまい、「つまりワタシがブスだってことよね」と言われ、もう口を聞いてくれなくなったりする。
イヌやネコなどを飼ってる人もそうですね。「ウチの子は本当はもっと可愛いのに、ワタシが写真が下手だからだわ」と思い、「××ちゃん、ごめんね、ごめんね、お母さんが悪いのね」と顔を近づけしつこく語りかけていると、鼻をガブッといかれたりする(涙)。ただしもうひとつ、写真には撮る人がまったく気づいてないことを写し出してくるという嬉しい特性もあると思う。だからそれまで気づかなかった恋人の美しい表情を図らずも撮れてしまったり、ペットの思わぬ可愛い仕草が写ってしまったりする。
で、例の如くiPhone「写真」の「編集」機能ですが、本日アップしたこの写真を撮ったのは記録によると16時14分。今の季節でもまだまだ外は明るい。しかし、カメラは強い光を放つ夕焼けを向いているので、ノーマルだとこのタクシーの車止めは真っ暗になってしまう。そこで自分の印象に合わせるため「ライト」の「シャドウ」を少し持ち上げます。で、撮った人(ボクのことですね)がそのときまったく気づいていなかったのが、画面下のタクシーの窓。場所は武蔵小金井北口。中央線はほぼ東西に走っているので、夕焼けが西にあるのだけれど、午後4時過ぎだと太陽はまだかろうじて南にあるので、かすかな直射日光でこのように照らされているわけです。
それでも撮ったときにはまったく気づいていなかった。「ライト」の「シャドウ」を持ち上げたときに初めて、車窓に反射した光がキレイに浮き上がって来たんですね。ちょっと得した気持ちになったのでした。ではまた明日。
※12月6日水曜日、武蔵小金井北口のロータリーを写す。data:iPhone6 #Instagram #MOLDIV #VIVID