昨夜は「さあ、体調も戻ったし明日からはバリバリ原稿書きだ!」と勢い込んで床に就いたのだが、今朝フトンの中で目覚めてみると身体がぐったりとして動かない。毎度のことなのだが、「そうか、これがあったか」と思い出す。風邪に体力を根こそぎ持って行かれたわけです。40才を過ぎた頃から、寝込むほどの風邪を引くことはなくなった。鼻と喉の炎症が辛く咳もひどかったりするが、熱だけは微熱程度。だから普段の30%から50%くらいの力量だが、仕事も一応休まずに出来る。ところが直ってから、こうやってしばらく引きずってしまう。
思えば中学高校時代、風邪を引くと必ず寝込んだ。僕の場合、扁桃腺が腫れることが多かったので、そうするとインフルエンザでなくとも40度近くの熱が出た。これは今思い出してみても本当にキツかった。当然学校は休み、フラフラのまま近所の内科へ行った。福田赳夫元総理似の老医者は、いつも同じ問診しかしない。「鼻水は水っぽい? それともねばってる?」。あれで何が判ったのだろう。ともあれ熱が高いと注射を打たれ、薬をもらって帰る。すると1日2日すると嘘のように直った。食欲が湧き、起き出してレコードを聴きたい、本が読みたいという気持ちが溢れた。あれが、若さというものだったのだろう。
ところで福田赳夫内閣が誕生したのはそんな僕の高校時代、1976年だ。調べてみるとWikipediaには<71歳という高齢を心配する周囲からの声に対し、自らの生年に因み「明治三十八歳」と言って若さをアピールした。>とある。71才ですよ、ドナルド・トランプは70才、ヒラリー・クリントンも69才だ。1976年の71才は、本当にオジイチャンだったんだな。ともあれ風邪の記憶を辿ると、あの老医者と川崎市麻生区にある、百合ヶ丘という街の冬の風景を思い出す。
※写真は1月26日、市役所の駐輪場を写す。data:iPhone6 #Instagram #MOLDIV #VIVID