今日は天気予報通り、東京は日中28度まで気温が上昇した。一昨日の日記に「5月は夏だ」と書いたけれど、本物の夏と違う点はやはりある。それは、朝夕冷えることです。今日もノースリーブのコンプレッションシャツの上に、写真のバスケットボールTシャツを着て午後4時過ぎからジムに向かった。往きは暑いくらいだったが、ジムを出たのが6時半。ちょうど陽が暮れかけ、スーパーで買い物をした帰りは腕が冷たかった。家に辿り着く直前には、何度かくしゃみが出た。ところでこのバスケットボールTシャツは思い出深いものだ。15年ほど前に西友で安いのを見つけ、2枚買い、気に入ったのでもう2枚買い足してしょっちゅう着ていた。でもある時期から熱が冷めたように着なくなってしまい、ずっと捨ててしまったと思い込んでいた。ところが昨年の引越の時、クローゼットの奥の奥から出て来たのだ。
あれはそんな14、15年ほど前、仕事がなくて困り果てていた時期があった。今もさほど変わらないので、結局は長年同じような暮らしをしているわけだ。どうしようもなくなって、若い頃にお世話になった先輩に電話で相談してみた。その人は会社を経営してた。「とにかく一度いらっしゃい」と言われ、訪ねていくと商品カタログのデザインの仕事をくれた。「ちょうどやってくれる人を探していたんだよ」と彼は言ったが、嘘だったと思う。僕のために仕事を作ってくれたのだ。長い付き合いなので顔を見れば判る。納品の時、このTシャツを着ていった。やはり5月上旬のゴールデンウィーク明けで、今日のように暑い日だったからだ。その人は上がりを見て「君に頼んでよかったよ」と言い、原稿を受け取りに来ていた印刷会社の営業さんにも、「どう、なかなかいいでしょう」と少し自慢げに言っていた。
お金が入ることになって少しホッとして、帰りの電車に乗ったのがやはり夕方の6時過ぎ。やがてTシャツ一枚で来てしまったことに後悔し始めた。特に乗り換えのホームの上では冷たい風が吹き、スーツ姿の帰宅サラリーマンの中で、一人だけバカみたいに薄着だったのも恥ずかしかった。仕事をくれた人はその3年後事業に失敗し、会社を潰して姿を消した。以来、一度も会ってない。もうお互い、生きている間に会うことはないだろう。特に根拠はないが、何故かそう思う。
※本文中に「バスケットボールTシャツ」と書いているけれど、何となくこういう形のTシャツをそう呼ぶのだと思っていた。バスケはタンクトップで試合をするので、ベンチにいる時とかはこういう首廻りと裾を切ったものなら、サッと頭から被って羽織りやすいのだろうと、漠然と思っていた。でも調べてみるとどうやらそういう呼び方はなくて、このTシャツにたまたま「STREET BASKETBALL」と書いてあったので、そう思い込んでいたのでした。data:iPhone6 #instaplus #Velvic #RVP100