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まいった。昨日の日記に「VHSのテープを処分することは、ひとつの時代にサヨナラを言うことだ」というようなことを書いたら、こういうのを虫の知らせというのだろうか? 今朝になって何気なくFacebookを開くと、作家の館淳一さんが<賀山さんが亡くなられた>と書かれていた。賀山茂氏、僕が20代後半、AV監督時代にお世話になった芳友舎(後に「芳友メディアプロデュース」と改称)の会長である。1926年(昭和元年)生まれというから享年88。しかし身長はおそらく180センチ以上、この時代の人としたら本当に大柄で、常に強烈なパワーとエネルギーに溢れる人であった。僕が最後にお会いしたのは90年代の後半だが、矍鑠とされ強健で、その後も人づてに聞いた話では、80才を過ぎても愛車ジャガーを自ら運転して会社へ通われていたという。だからこのお歳ではあるが、まさかこんなに早く──という想いはぬぐい去れない。
それはとりもなおさず、「戦争」という過酷で異常な状況をぐり抜けているからだろう。例えば団先生の作品はいわゆる「SM小説」、要はポルノ小説と思われがちだが、同時に完全無比な悪徳小説でもある。つまりは持たざる男たちが性という道具立てを通し、持てる貴婦人に対しどれだけ卑劣な悪の限りを尽くせるかという物語だ。何故かと言えば、そこにはエロスがあるからだ。ここで言う「エロス」とは決して「官能」にとどまらない。人間が生きていく「エネルギー」と「希望」をも意味する。つまり彼らは食うものも食えない殺し合いの時代を生き抜いたあげく、一夜にしてその価値観の180度転換を迫られた。もう世の中にある「善なるもの」など、何も信用出来なかったに違いない。残っていたのは痺れるような「快楽」と、邪悪なほどの「背徳」だけだったはずだ。 賀山氏は50代までに既に実業家として名を成し、1980年代になって趣味の世界から、当時動き始めたアダルトビデオの世界に参入。さらなる大成功を収めた。バブル期には区の納税番付で常にトップクラスにいて、90年代以降は映画制作にも乗り出した。それらはすべて上に述べて来たような、昭和の裏粋人たるパワーと情熱があったこそだろう。個人的にはAV監督時代とても可愛がって頂き、尚かつ大変甘やかしてもらった。当時の芳友舎には豊田薫、島村雪彦という売れっ子監督がいたこともあり、一番若かった僕は常に、「東良さん、あなたは好きなものをお好きなように撮りなさい」と言ってもらった。「社長(当時)、次の撮影、少し予算を多めに使いたいのですが」と切り出しても、「いいじゃないですか、どんどん使いなさい」と言われ、僕が編集スタジオから戻ると「新作、上がったかい?」と聞き、VHSテープをお渡しすると、「今度の土曜日、家で飲みながら観るよ。僕はあなたの作品を観ながら一杯やるのが楽しみでね」と、ニコニコ笑っておっしゃった。 恩人だった。僕が芳友舎を離れたのは、昭和天皇崩御の年、大喪の礼の少し後だったと記憶している。つまりは平成に入ってすぐということになるのだが、賀山会長が亡くなられたことで、僕の昭和もやっとのことで終わりを迎えたような気がする。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 ※写真は1988年芳友舎制作、『夜の精』(SAMM/監督・東良美季)の斉藤唯。このタイトルは、ブルース・スプリングスティーンの曲から拝借した。カッコ内にあるように、「SAMM」はレーベル名として引き継がれた。
by tohramiki
| 2014-07-29 23:35
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