一昨日の日記で『図解でよくわかる 地下鉄のすべて』(JTBの交通ムック)という本について触れたところ、何人もの方々から「買いますよー」とのメールや、Facebookにコメントを頂きました。ありがとうございました。で、本日もまたお知らせです。東良美季も取材・執筆に関わりました、
『東京 手みやげ本』(ぴあMOOK)が発売になっております。コレね、ハッキリ言ってスゴイ本だと思います。僕が取材したのは30軒あまり。いくつかその場で試食させてもらったりおみやげに頂いたりしたのだが、「へー、東京にはこんなに美味しいものがあるんだ!」と素朴に驚きました。しかも(数えたわけではないが)紹介している商品の9割方が1,000円以下。つまり探せば安くて美味しいものってあるんだなあ、ということではないでしょうか。
「手みやげ」というとお世話になった人とか、気を使う親戚(旦那さんor奥さんのご両親とかね)のお宅を訪ねる時に持っていくものというイメージがあるかもしれないけれど、この本で紹介されているのはもっとカジュアル。ホームパーティとか、友達の家でお茶会しようとか「家飲みしようぜ」とかいう時に持って行って、「えー、コレ美味しいじゃん!」と誉められそうなものばかり。大きく分けて洋菓子、和菓子、グロサリー(パン、お総菜、お茶など)の3パートがあるのだけれど、僕が今回気づいたのは、スイーツ系でもお酒のおつまみになるものって意外にあるんだなあ、ということ。個人的にハマッたのは新宿ルミネ1やスカイツリーにある「東京ミルクチーズ工場」のクッキー。
フランス産ゲランド塩と蜂蜜を使った生地に、カマンベールやゴルゴンゾーラ(ブルーチーズ)を挟んであって、ほのかな甘みと微妙な塩気のバランスがもうタマリマセン(涙)。ワインと合うよなあ、と思いつつ第3のビールや焼酎でもイケた。しかも10枚入りで630円。これはもう、スーパーで売ってるお菓子の価格である。ねっ、気軽に買って持っていけるでしょう? それともうひとつ、先日この本の関わったフリーランスが集まる打ち上げがあって顔を合わせたのだけれど、ライターは僕以外、長年こういったフード系、店舗系の情報誌に関わって来た人ばかり。カメラマンに至っては今回9日間一緒に廻り、2月14日の日記でも触れたE氏こと
海老澤芳辰さんを初め、全員がキャリア20年以上のベテラン揃いである。これでいい誌面が出来ないはずがない。
基本は商品ブツの撮りがメインなのだけど、ところどころにお店のご主人、シェフ、一緒にご苦労されたであろう奥さんや従業員の皆さんの、笑顔のスナップが挟み込まれている。そこには一代を商売を興し評判のお店にまで作り上げていった人の、誇りと歴史が否応なく写っている。「この人が作ってるものなら間違いなく美味しいだろう」というのがひと目で判ってしまう。つまりこれらはささやかでさりげないけれど、とても確かなドキュメンタリーフォトなのだ。インターネットが発達した2000年代、この手の本は衰退を余儀なくされた。でも最近はもう、ネットにはあまりに多くの情報が上がり過ぎていて逆に戸惑うばかり。こういう時代だからこそ、紙媒体には「編集」という名の取捨選択と主張が必要なのだろうなあと思う。「来週の日曜日はこのお菓子を買って、お友達の家に遊びに行ってみませんか?」という生活提案である。A4版変形(女性週刊誌サイズ)オールカラー116ページ、定価880円もお得だと思います。ではまた明日。