プリンターが壊れました(涙)。エプソンのPM-800Cという機種。7色のインクを使う、当時としてはかなり高級な機種で、確か3万円くらいしたのではないだろうか。キレイなカラー印刷が出来ると言われ、「よし、少し高いけれどこういうものを買おう」「そして自分で撮った写真を引き伸ばしたりして、額に入れて部屋に飾ろう!」なんて思った。しかし、です。まずインクが高い。最近はリサイクル・インクというものが出てかなり安くなったが、当初はエプソン純正しかなく、7色セットで5,000円くらいした。でもって写真の高画質印刷なんぞしようもんなら、その5,000円インクはアッという間に消耗した。
結局、最近は請求書を送る時の住所ラベルを印刷するくらいしか使う機会が無くなった。2年程前までは地方へ取材に行く際Google Mapを印刷したりしたが、それも、iPhoneを使うようになったから必要なくなった。そもそも僕はプリンターというものに関してはツイてない。かつてモノカキだけでは食っていけなかった頃──今でもとても「食っている」とは言えないが(涙)──雑誌のデザインで生活費を稼いでいたわけだが、やはりエプソンのポストスプリクト(PostScript)プリンターというのを買った。20万くらいしたと思う。当時はデータ入稿に印刷見本を付けなければいけない場合が多かったし、Macのモニターも小さかったので(LC630という機種だった)、一旦デザインの上がりをプリントして確認する必要があった。
そうだ、だからデータ入稿用にMOディスク・ドライブも必要だった。しかしアッという間にメール入稿になり、iMacG4くらいからはもうモニターが大きくなったので、プリントして確認する作業もほぼ必要なくなった。結果、PSプリンターもMOドライブも、ほとんど使わないうちにデスク周りの邪魔者と化した。その前はファックスだった。ずーっと持ってなくて、やがて先に書いたMac LC630を買い、世の中ではパソコン通信というものも始まったのでそろそろ要らないだろうと思っていた。ところがその頃ちょうどとあるAV監督さんのシナリオを書き始め、その人に「お願いですから買ってくださいよ」と懇願されて買った。シナリオの場合、原稿と違って監督の意見を取り入れ、2縞、3縞と書き直す必要があるのだ。しかし、その途端にメールが一般化して必要無くなった!
ところでプリンターは今後どうしよう? 確かにもうほとんど必要ない。だけどたとえば時間に限りのあるインタビューとか、逆に時間をかけて深いところまでお話を伺う時など、質問事項や疑問点などをプリントアウトして持っていった方がいい。時代の最先端をいくカッコいいライターさんならば、そこでMacBook Airをパカッと開けるかiPad3を華麗にタップしたりするのだろうが、ビンボーモノカキの僕には金銭的にとても無理(涙)。そして今Apple Storeの〈プリンタ〉ところを覗いてみると、
HPの安いヤツなら5,530円で買えるワケです(送料無料!)。インク代に毎回5,000円使っていたワタクシの数年間はいったい何だったのでありましょう、しくしく。要するに常に時代から一歩遅れているのだなあ。