えー、下ネタから入ります。すみません。早朝、トイレに行きたくて眼が覚めた。座る、用を足す。時刻は5時前。やれやれ、もう少し寝ようと布団にもぐる。するとまたお腹がグルグルし始めた。もう一度トイレ、横になる。再びグルグル、というのを5回繰り返してやっと気づいた。このところの冬バテは、要は内蔵が疲れていたのだ。筋肉疲労や精神の疲れは、長めの入浴や睡眠等で比較的簡単に回復するが、内臓疲労というのは意外にやっかいである。取れにくいし、最も困るのは、胃や腸が不快だと何をするにもヤル気が失せる。そこで今日は久しぶりに半断食をしてみました。食事は控え、お茶だけをちひちびと少量ずつ飲む。口が淋しくなったら、唾液を分泌させる意味でもガムを噛む。やがて食欲が湧いて来たら、スープなどを少量飲む。もちろん禁酒。
断食の良いところは、食欲中枢を正常に戻すことだと言われています。我々人間はどうしても習慣と惰性で生きてしまう。食事も同様。時間が来たら食べる。誰かに誘われたら飲みに行ってしまう、等々。その習慣と惰性を一度リセットしてみる。そもそも1日3食というのは、かのトーマス・エジソンが自分が発明したトースターを売りたいがために言い出した、一種のキャンペーンだという説もある。平賀源内が土用には鰻を食えと言ったとか、菓子屋がバレンタインデーにはチョコを送りましょうと言い出したのと同じだ。だからそういった、外から入って来る情報を一旦すべて遮断してみる。
自分の内面にだけ問いかけてみる。本当に今食事をするべきなのか? 来週飲み会に誘われてるけど、ワタシは本当に行きたいのかしら、とか、自称占い師が「神の計画」で「高級焼肉を食べるべし」と言っただけなのではないか、等々。するとあら不思議、今まで自分が感じていた欲望が、ひとつまたひとつと消えていく、どうでもよくなってくる。取り敢えずもう少しゴハンは食べなくてもいいんじゃないか、今自分の胃は、食物を取り入れるより休むことを欲している──そんなことが次第に見えてくる。そんなわけで夜の9時を過ぎ、やっとのことで本物の食欲らしきものが感じられて来たので、玉葱とエノキダケを刻んだコンソメ味のスープを作ってソロソロと飲む。
大変美味。しかし、スープカップ7分目程度の量で、まるで牛丼特盛りをたいらげたくらいの満腹になってしまう。これは相当胃がへたっているようだ。なるほど、たぶん2月12日に書いた去年の風邪も、こういう体調があったからだろう。胃がこれだけ疲れていれば、ちょっとしたウイルスを跳ね返すことなんてとても出来ない。