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5時起床。陽が昇り始めるのと同時にjogへ出る。快晴の元、124分。iPod Shuffleには山下達郎が入っている。「愛を描いて〜LET'S KISS THE SUN」や「LOVELAND, ISLAND」といった〈夏だ、海だ、タツローだッ〉(笑)という曲も良いけれど、やはりファースト・アルバム所収の「夏の陽」、『RIDE ON TIME』の「夏への扉」は、どうしてもこの季節、夏が終わる前に聴きながら走りたい。そして、「うーうー、長年この人のファンで良かった!」と心の底から思う。ファンと言えば──23日に『監督失格』のプレイベントと、その前に『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』に関する打合せがあったのだけど、新宿駅に着くとまだ5分ほど時間に余裕があった。そこですかさず紀伊國屋書店に突入し、『ミュージック・マガジン』9月号を買った。特集はもちろんニュー・アルバム『Ray Of Hope』発売記念、達郎サンである。
例えば『レコード・コレクターズ』誌で大滝詠一さんの特集はリマスター盤が出る度大々的に組まれるのに、達郎さんは一度も無い(シュガー・ベイブ、『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』はあるが)。レコード収集家としての寄稿は何度もあるに関わらず、である。やはりそれも「本を出さない、アリーナで公演をしない、テレビに出ない」というポリシーの一環なのだろうか? それが今回『ミュージック・マガジン』さん、やってくれました。36ページにわたる大特集である。湯浅学、長谷川博一、渡辺亨といった名うての文章家達による徹底したヒストリー&アルバムガイド。もちろん8ページのロング・インタビューもある。インタビュアーは能地祐子さんだ。これがね、本当にイイんだなあ。嬉しい。 忌野清志郎さんと今井智子さんとはまた違った関係性だろうが、インタビューイであるミュージャンと、その人の音楽を長年愛し続けた書き手による、愛情とリスペクトに満ち溢れた原稿である。ご存じの通り完璧主義者中の完璧主義者・達郎さんは、めったにアルバムを出してくれない(涙)。今回も6年振りだ。それも『WooHoo』という仮題で着々と録音が進行中と伝えられながら、3.11の影響もあったとかで延期。しかし、その震災後、先にシングルでリリースされていた「希望という名の光」がラジオ等で繰り返しかけられたということもあり、新しく『Ray Of Hope』として生み出された。能地さんの筆には、そんな待たされ続けたファンが共通して持つ歓びが、端々に感じられる。 そしてカーティス・メイフィールド、ラスカルズといった山下作品のルーツとなるミュージャンの存在をしっかりと押さえながら、今回のアルバムに於けるメッセージ性を的確に、そして平易に解説する。かと思うと長い付き合いということからだろう、ちょっと意地悪というか、悪戯っぽい質問もあって、それがまあ何とも可愛らしいというかキュートと言うか。達郎さんも思わず、「やめてくださいよ、あなた(笑)」なんて苦笑してる。ベテランの男性アーティストと年下の女性ライターというバランスもあるのだろうが、実作者と批評家の関係はすべからくこうでありたいと思う。深い尊敬の念を抱きながら、あくまでその間にあるものは平等であり、故に時には鋭い突っ込みもあって相手をヒヤリとさせる一方、なごやかなジョークもあって読み手を和ませる。 何故なら、山下達郎がアルバムを制作するということは、音楽の神様、ポップスの神様と対話することに他ならない。此処で言う「神」とはもちろん宗教的なそれではない。ポピュラー・ミュージックを愛する世界中の人々、その想いの総体だ。何故なら、誰しも経験があるはずだ。偶然ラジオから流れて来たあの曲に救われたこと、不覚にも涙したこと、思わずヴォリュームを上げ、ステアリングを叩いて唄ったこと、そして「やっぱり明日も頑張って生きていこう」と思い直したこと。達郎さんはおそらく、そういったすべての「僕達」の時間、瞬間に手を伸ばし、触れようとしたに違いない。だからこそ能地さんは「音楽はピュアであるがゆえに力が弱かったりもする」という達郎さんの発言を後半に、そして「でも音楽は絶対になくならない」という言葉で文章を締めくくっている(←こういうのって僕も普段なかなか判って貰えないのだが、インタビュー原稿に於いて、インタビューイの発言の何処を肝にして何をクライマックスに持って来るかは基本的にライターの裁量であり、何より腕の見せ所である)。 また、「本当に煮詰まった時に聴けるアルバムは一枚しかない」という発言があり、ちなみに達郎さんにとってその一枚とはカーティス・メイフィールドの『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥディ』だとか。僕は日頃「オレはエレック盤の『SONGS』から持ってたゾ」とか「オールナイトニッポン第2部から聴いてたぜ」とか、「大滝さんから無理矢理押し付けられたイチジク浣腸のCM(♪♪カ・ラ・ダの調子がくるったら〜)だってリアルタイムで観てンだからなー!」と自慢してるワケですが、2002年にリリースされたRCA / AIR時代のデジタル・リマスター盤も買ってないし、だいいち達郎サウンドをMP3に落としてiPod Shuffleで聴くなんざ、ファンの風上にも置けない不届き者ですが(涙)、それでも〈SOMEDAY 一人じゃなくなり/SOMEDAY 何かが見つかる〉と、『RIDE ON TIME』1曲目「いつか」を聴き、泣きそうになりながら今日も走るワケです。
by tohramiki
| 2011-08-28 10:20
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