季節が変わったな、と思った。僕の場合、自然と聴きたい音楽が違って来る。秋の終わりからずっと、目覚めて暗い中でストレッチする時はヨーヨー・マの『バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)〜インスパイアド・バイ・バッハ』をかけ、それをエンドレスで流しながらお風呂に入っていた。そして上がってからは主にブラームスの弦楽五重奏、六重奏を聴いた。身体がチェロやヴィオラといった、弦の優しく重厚な音を欲していた。でも、こうして寒さが底をつく季節になると、ピアノの音が美しく聞こえる。冬はまだまだ続くが、その先に春が見えて来た。
書き下ろしの校正も終わったので、今朝は少しゆっくり眠っても良かったのだが、夜明けに「しん」とした音楽が聴きたいがために、5時半に起きる。暗い部屋でブライアン・イーノの
『ミュージック・フォー・エアポーツ』をかけながらストレッチする。至福の時間。特に一曲目の「1/1」(←上にリンクしたページで試聴出来ます)、ロバート・ワイアットの弾くピアノの音は、今この季節にこそ聴きたい。それを流しながらお風呂に入り、上がってからは珈琲を入れ、今度はキース・ジャレットのピアノソロをかける。真冬の愉しみ。
今日は早朝より滞っているレギュラー仕事の原稿書きを続ける。それにしても寒い。約8畳ほどの仕事場。リビングとの間のドアは閉め切り、テロンギのパネルヒーター、さらに足元にも小型のオイルヒーターを置いてもまだ寒い。現在夜の10時過ぎ。これを書いているキーボードを打つ、その手が冷たい。書き下ろしの方は、夕方6時に編集Tくんより「すべて無事入稿終わりました」とメールが来た。その5分後には、次の書き下ろし担当の編集さんから打合せの日時を知らせるメールが来た。さて、今年は何冊本が書けるだろうか。